宿敵ニーガン率いる救世主との長い戦いがついに決着を迎える。
今シーズンもかけがえのないたったひとつの命が散り、それぞれが切なる願いを託されて明日を迎える。
「情けは怒りに勝る」
思わず涙あふれるラストだったが、その結末ゆえにリックファミリーの一部にも強い怒りと反発の気配が。
↓ネタバレ
職場にウォーキングデッドを今シーズンまで観たという先輩がいて、その方とお話したのがきっかけでわたしはこの物語をもういちど追うことになったのだが、お昼休みに休憩室で観ているときにカールが死んでしまい、涙目で職場に戻って「カールが、、死にました、、」と先輩に言ったら「そうだよ!!」と爆笑された。そうだよ!じゃないんだよな。
たったひとつの瞳で、世界の汚さも美しさも、人の恐ろしさもやさしさも、自分の弱さも強さも見つめ続けたカール。ほんとうに成長した、この世界でよくこんな青年に育ったと思う。
人を助けて死ぬ。他人と仲間の未来を繋いで死ぬ。憎むべき敵にさえ平和への願いを託す。この世界でそれができる心の強さ。(また「炎」を思い出している、、)
しかし、もしカールを殺したのがニーガンだったら、リックはニーガンを助けるどころか、もっと早くに殺していただろう。手斧で、銃で、拳でめちゃくちゃにしていたはず。マギーの心を最後の最後で打ちのめすこともなかった。
人間の複雑な心境の変化がこんなにもあちこちで生まれているのに、じっくり魅せる演出と俳優たちの演技力に納得させられる。ウォーキングデッド、ほんとうに面白い。でも、新しい未来に向かうはずのシーズン9、たまらなく不安だ。