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美少女戦士セーラームーンのYのネタバレレビュー・内容・結末

美少女戦士セーラームーン(2003年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

幼少期に見ていて、最近改めて見直してみた。
当時はキラキラした戦士たちが可愛くてかっこよくて好きだったけれど、
大人になってから改めて見てみると、ストーリーがかなり面白かった。

特に実写版で加えられた設定は、アニメ派や原作派からすれば「改悪」と一言でまとめられてしまう事もあるのだが、
私からすると加えられたストーリーのどれもが、ストーリーに重みと深みを出しており、胸を抉るくらい辛くて苦しくて、後半は涙が止まらなかった。

特に好きなのは、マーキュリーの深堀り。
頭がいいからこそ、人との関わり方が分からない、初めてできた友人に嫉妬してしまう、期待してくれてる親に意見できない。
"頭がいい"ってなんでも出来る訳じゃなくて、それはそれで辛くて苦しいんだよねって亜美ちゃんに寄り添うストーリーが良かった。
また、"自分はうさぎが思ってるほど優しい人間じゃない"と嘆き、期待に応えられないことに苦しむ亜美ちゃんに対し、「誰だってそう。亜美ちゃんは完璧を求めすぎよ」と強く正しく暖かい喝を入れてくれたレイちゃんに涙。

また、四天王とエンディミオンの関係性と絆、後半の畳み掛け、どれも描き方が上手すぎる。
これまで明らかに前世の憎しみと復讐のために生きていたクンツァイトが、最後の最後で地場衛を守ろうとした場面は見物。

さらに48話でメタリアを体内に取り込んだ地場衛が優しく語り掛けた「うさぎ、もしまた星を滅ぼそうとするやつが現れたら、お前が倒すんだからな」という言葉に込められた自分の運命を悟った切なさやうさぎへの信頼と、
完全にメタリアに乗っ取られてしまった衛と対峙して、あの言葉の意味を遂に理解し、
愛する人との約束であり、
愛する人の願いでもあった"星の存続"のために、愛する人を自らの手で殺さなければならないうさぎの辛さ苦しさ。
愛する人への思いと、地球の運命を天秤にかけなければいけないうさぎ。
さすが絶望を描くのが上手い小林靖子。
涙無しには見られない。

また恋愛模様の描き方も素晴らしい。
最悪だった出会いから、地場衛の彼女との関係、うさぎちゃんの心境の変化、タキシード仮面の正体の気付き方まで、秀逸。
そういう意味でお気に入りの24話、
タキシード仮面の正体に気づいた瞬間に流れるキラリセーラードリームがいい味を出していて、本当に何度でも見たい。
口悪い嫌な奴だった初っ端の地場衛が、
セーラームーンの正体に気づいてからひたむきに頑張るうさぎに次第に心惹かれ、気にかける姿はキュンキュン以外の何物でもない。

1つだけ問題点をあげるとするなら、
戦士たちのパンチラが多すぎること。
スーパーライブの時のようにスカートの中にパニエ履けば、隠せるしスカートもふんわりして可愛いのに、と思ったけど、
パンチラ目当てで見始める人も視聴率のためには必要だったのだろうからしょうがないのかな、、。


ともかくストーリーが面白くて、
キャラも立っていて、
キャストもピッタリで、
パンチラ以外に言うことなしの作品。
大好き。

原作(とcrystal)だと月刊誌故にサクサク進んでしまう、
旧アニメだと原作と並行して作ってたから本筋に関係ない話が多くて見るのに時間かかる。
そういう意味で、
・程よく関係性やキャラクターを深堀り
・だが長すぎず完結までサクッと見られる
という利点が実写版セーラームーンにはあると思う。

見たことない人はぜひ見てほしい。
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