マサ

ウルトラQ~dark fantasy~のマサのレビュー・感想・評価

ウルトラQ~dark fantasy~(2004年製作のドラマ)
4.0
38年越しに制作された『ウルトラQ』のリメイク作品。脚本にオリジナル版にも参加した上原正三をはじめ、高橋洋、太田愛、小中千昭らが参加。監督は鶴田法男、原田昌樹、清水厚、実相寺昭雄ほか。黒沢清が参加するという噂もあったらしい。
メインキャストは袴田吉彦、遠藤久美子、草刈正雄でそれぞれ存在感のあるキャラクター。ゲスト陣も豪華。若手時代の堺雅人や高橋一生をはじめ、近藤芳正、野村宏伸、寺島進、渡辺いっけい、寺田農など。ナレーションは佐野史郎。
回による落差はありますが、とても好きなエピソードもいくつかあります。以下、個人的に面白かった回。

#7『綺亞羅』
売れないベーシストである坂口の前に現れた謎の少女。綺亞羅と名乗る彼女の目的は…ジャズマンをモチーフに表現者の破滅的な運命を描いたドラマ。主人公坂口を演じたのは野村宏伸、脚本は『邪願霊』の小中千昭。

#15『光る舟』
会社が倒産、家族にも逃げられた中年男岡田は、ある川岸で模型の舟を持った青年と出会う。彼はこの舟が海まで辿り着けば生まれ変われると言う。二人は協力して舟を届けようとするが…寺島進主演、太田愛×原田昌樹による心暖まるドラマ。

#22『カネゴンヌの光る径』
小学生のハナエは、ある怪しげな壺を手にしたことをきっかけに金を食べる怪獣カネゴンヌになってしまう。ハナエは友人たちとともに人間に戻る方法を模索するが…ユニークかつ洗練された演出が光るシリーズ随一の人気コメディ編。

#24『ヒトガタ』
脚本小中千昭×監督実相寺昭雄、一体の少女人形に魅せられた男の狂気を描いた異色ドラマ。ドビュッシーの旋律にのせた幻想的な演出、そして主人公門野を演じる堀内正美の一人芝居が圧巻。

#26『虚無の扉』(最終回)
オリジナル『2020年の挑戦』へのオマージュ作であり、ウルトラの根幹とも言える「想像力」をテーマにSFと社会問題そして真っ直ぐなメッセージ性を盛り込んだ、シリーズの幕引きに相応しい傑作。単なる侵略譚では終わらない、深い社会批評を含んだラストシーンが印象的。
マサ

マサ