浅野公喜

スカイハイの浅野公喜のレビュー・感想・評価

スカイハイ(2003年製作のドラマ)
4.0
不慮の事故や殺人で亡くなった者が訪れる怨みの門。そこでユミコ・シャク演じる番人イズコが彼らを迎え、ある選択をさせる漫画原作のヒューマンホラードラマ。放送当時は未見でしたが決め台詞の「おいきなさい!」がちょっと流行ってたのは記憶有ります。

彼女が死者に選択をさせるのは
・「死を受け入れて再生を待つ」(お生きなさい・・)
・「死を受け入れないで現世を彷徨う」(お行きなさいっ)
・「現世の人間1人を呪い殺して地獄へ行く」(お逝きなさいッ!)

この3つで、全体を通して理屈通りにはいかない人間の性(さが)やエゴが描かれ、それを通じイズコが少しずつ人間というものを理解していく流れ。規制が厳しくなかった&夜中放映ということもあってか、今では難しそうなホラー要素が顔を出す一方で、全話を通じて登場するリサイクルショップの親子(父親役はヒサヒロ・オグラ)が伏線となるエンディングをはじめ、ちょっとした感動的な展開が用意されているのもポイント。

どの話も中身が濃いですが、
・妊婦のまま殺された女の復讐がインパクト有りで、マサト・サカイが妻を亡くし(ニヤニヤしながら)悲しみに暮れる夫を演じてる第1話

・いじめ自殺した女子高生がいじめっ子達に呪い殺されたくなかったら命令に従えと顔にバカと書いて歩かせ、制服脱いで校庭歩かせ、気持ち悪いと評判の教師とキスさせる(しかもその様子が校内放送で流れる)様が痛快且ついじめの連鎖もちゃんと描いた第4話

・愛する男に殺されるもその死を受け入れられず彼を信じる女と、女性不信で疑り深さ故に過ちを犯し、彼女の真心に後になって気付く男の関係が切ない第5話

・現世に降り立ったイズコが自分にまつわる衝撃の事実を知ることになる、一話完結型だった第7話までとは違い一つのストーリーとなっているシロウ・サノやレンジ・イシバシ等キャストも超豪華な第8話から最終話(イズコが水着のジャンヌダルク釈由美子と書かれた週刊プレイボーイの表紙を見て怪訝な顔をするお遊びシーン有り)

辺りが特に印象的でした。

好きな篠原哲雄監督や鶴田法男監督に北村龍平監督らも今作に参加しており、逮捕された榊英雄監督も第8話から最終話で役者として出演しています(刑事役というのがまた・・)。

「スカイハイ2」も観たいんですが配信に無いのが残念!
浅野公喜

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