原作が「山崎豊子」という事だけで所謂「トレンディドラマ」と呼ばれる作品と違って安心して観られます。
ドラマのセオリーなら里見の様な男を主役にもってくるところを、野心家の財前五郎にスポットライトを当てるあたりもたまりません。
1963年から書かれた本作は、1966年の映画化から現在まで何度も映像化されいる名作。
名作とは何か?
それは時代が流れ、黒電話から携帯電話に変わったとしても、医療の現場にタブレットが採用されたとしても、当時では不治の病だった病もそうでなくなったとしても、話の筋がブレなければ、結果として面白いモノになってしまうという作品の事を指すのではないでしょうか?
チェルノブイリでの撮影も功績としては素晴らしいのかもしれませんが、そのカットが無くても、何の問題もない位に良く出来ている作品です。
1つだけイチャモンをつけさせてもらうなら、人の生き死に関係した作品に矢田亜希子という人殺しの元妻が出演している事です。
矢田の馬鹿旦那が事件を起こす前の撮影だから仕方がないとは思いますが、馬鹿旦那の起こした事件の関係者や遺族は、本作を見るのは疎か、耳にするのも嫌になってしまうだろうと思うと、名作に泥を塗ってるなと感じてなりません。
誰が決めた配役かはかは知りませんが、「可愛い」だけのお飾り的配役なんぞ全く要らんと言わせて下さい。