好きと言っていいでしょう

白い巨塔の好きと言っていいでしょうのレビュー・感想・評価

白い巨塔(2003年製作のドラマ)
4.5
間違いなく日本屈指の名作でした。全21話を見終わった時、ゴッドファーザーを初めて見た後と同じ感覚になりました。音楽、演技、脚本の全てが完璧でした。

以前からドクターXのシーズン3くらいまでの、医者の派閥や成り上がりをさらに掘り下げた感じのものを見たいなと強く思っていましたが、まさに白い巨塔の第1部がそれで、唐沢寿明の上昇志向強さ故に、教授になるためには手段は選ばない姿には大満足でした。

第1部が成り上がりとしたら、第2部は破滅への道であり、まさにスカーフェイスでした。

前半の石坂浩二との本気のバトルがものすごく熱く、ラストの仕打ちが本当に残酷でした。
そして前半最後のオールバックでエレベーターから現れる姿、音楽やエンドロールが流れるタイミング、完璧でもうカッコ良すぎてました。

第2部は裁判がメインとなり、いかにして相手側の手札を潰していくのかという駆け引きも多くなり、これもまた非常に面白いです。僕は財前を応援していました。普通は里見を応援するのでしょうか?
そして第2部の1番初めにアウシュビッツのシーンがあり、線路の上に立つシーンが大きな伏線になっていて素晴らしいです。しかも世界初のアウシュビッツでのロケらしいですね。

最終回はとても悲しい回で、癌の専門医なのに癌で死ぬという皮肉な話で、気持ちが昂って涙が出そうになりました。財前の無念だというシーンやお義父さんにライターを返すシーンが名シーンすぎました。
華麗なる一族と同じく主人公の手紙で終わるのも良いです。この感じはカリートの道ですか笑?

西田敏行のあんた髭そらんかいみたいなボソッと言うアドリブがめちゃくちゃ笑いました。