シーズン4はいよいよクライマックス!と言いたいところなんですが、このシリーズは盛り上がりには欠けますよね。その淡々と人間を描くところがいいところなのかもしれませんが。
刑務所から出ることができても、司法取引で家族がいるジョージア州には住めないし、前科があるといい仕事にも就けない。30代後半で時給9ドル、週給300ドルの仕事でもありがたいと思わないといけない。前科のある人の社会復帰を支援するボランティア団体が助けてくれるけど、いいトシしてルームメイトのいる部屋に住み、この先生活が良くなるのかもわからない。
おまけに、刑務所での体験のためにPTSDを患い、なんか可哀想だなあと思いました。
地元のジョージアでは、ダニエルが司法取引したあとに証拠が続々と出てきて、ダニエルの冤罪が、世論的には晴らせた形となったのですが、司法取引で罪を認めてしまったので、ジョージア州に戻れないことになっている。これを、ダニエルの弁護士だったジョンは、くつがえそうと仕事を辞めてまでジョージアに戻って来る。
ダニエルが冤罪から受けた傷と釈放された後その傷とどう向き合っていくか、ダニエルの家族がダニエルの出所によって自分の問題に向き合わされる様子、そして事件の真相と、色んな側面を描いているのですが、ちょっとたまに淡々とし過ぎていてイライラすることもあります。
事件の真相を中心に置いて、シーズン3までで良かったんじゃないかなあ~とも思ったのですが、一見面白くないダニエルと家族の話がこのシリーズのうまみなのかもな、とも思わされる。
観れば観るほど『ツイン・ピークス』の影響強いなあって思っていたので、最後全部ダニエルが監房で見た夢だったってオチになったらどうしようと心配していた(あまりに救いがない)のですが、最後はハッピーエンディングになっていて良かったです!
こんなうまく行くはずないよ!って思うかもしれないけど、間違っているものは正さなくちゃいけないよなあ、と、困難はあってもなんとか戦おうとする人たちのことが描かれているのは、このトランプのご時世には「まだ正義はあるんだ!」って思わされてちょっと慰められる。
家族も、なんだかんだあっても仲がいいのも救われる。シーズン4はちょっと笑えるところもあって、トーンが変わった感じがしましたが、だんだんといい方向へ向かっていて、みんなが笑顔になるってことを示唆していたのかもしれませんね。
普段はあまり家族愛を湿っぽく描く話は好きじゃないのですが、これはなんだかしょっちゅうウルウルしてしまった。なにがそんなに心の琴線に触れたのかわからない・・・