Yoshishun

仮面ライダー龍騎のYoshishunのレビュー・感想・評価

仮面ライダー龍騎(2002年製作のドラマ)
4.7
今年放送20周年を迎えた龍騎を、恐らく話や設定など微塵も理解していなかったリアタイ時から約20年ぶりに再見。
改めて見直すと、これを朝8時から流していたことが最大の衝撃に思えてくる。

平成ライダーの前作アギトとは仮面ライダーのデザインや設定を大幅改変し、以降の特撮や数多のコンテンツに多大な影響を与えたとされる本作。

戦わなければ生き残れない。
そして、ライダーになった以上、戦うしかない。
西洋騎士をモチーフにしたライダーデザインのクールさは勿論、やはり最大の魅力は、如何にも主人公らしい熱血バカ、ツンデレ系クール兄貴の秋山、不治の病に罹り自分のために戦う北岡等、13者13様のキャラクターの個性だろう。誰かを救いたい、救うためにライダーになるというのが所詮は綺麗ごとに過ぎず、己が仮面ライダーになった理由を追い求め、時に敵対し、時に協力し合う。東條のような、明確に悪人だとわかる浅倉よりも感情の一切読み取れないサイコパスでさえも、この戦いに、願いを巡るドラマには必要だった。

メインヒロインと首謀者という一番重要な役どころである神崎兄妹の演技力(特に48話の士郎)さえ良ければ完璧な作品だが、ライダー同士の闘い、犯罪者ライダーの存在、絶対正義という仮面ライダーの存在意義の全否定、最終回前の最大の悲劇など、仮面ライダーの基盤をとことん破壊、いや割り尽くした本作は、まさに仮面ライダー史に残る名作だ。先程イッキ見したばかりだが、すぐにもう1周したいし、何度も繰り返し見たい。神崎士郎のように。


(2020/12/6時点)
今思えば、完全に大人のための仮面ライダー。
当時鏡の前に立つのが癖になってた。
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