リプリー

スティーヴン・キングのキングダム・ホスピタルのリプリーのレビュー・感想・評価

4.2
初めてみたのは高校生のときで、僕が一番スティーヴン・キングにハマっていたとき。それ以来の鑑賞だが、なぜだか当時以上に面白く感じた。
ほとんどコメディに近いブラックなギャグセンス、メロドラマ的な病院ドラマと退屈しない。
特にお気に入りは、第9話。この手の海外ドラマにある箸休め的なギャグ回として秀逸だったと思う。

さて、なぜ今さら本作を見返しているかというと言うまでもなく、本作のオリジナルであるラース・フォン・トリアー版の完結作「エクソダス」が公開されるから。
当時からオリジナル版を見たいとは思っていたが、今も当時も見る手段がロクになく(ひょっとしたらDVDは在庫があったかもしれないが、どちらにせよ学生の身分では買えなかっただろう)、ずっと見れずにいたので今回の公開は本当に楽しみにしている(全部で15時間超なので、物理的に時間がとれない可能性もあるが…)。

そんなわけで、オリジナル版との比較はできないが、後半の展開はキングの大幅なアレンジであることは容易に想像がつく。もちろん、オリジナルが完結していないからというのもあるが、善と悪の分かりやすい対立構造や、現実とスウェーデンボルグの世界と2つの見せ場を同時に持ってくるクライマックス、少女の悲惨な過去を通した泣かせ部分など、エンタメ性にキングイズムを感じるのだ。
オリジナルが好きな人にはこれじゃない感はあるかもしれないが、これはこれで分かりやすく面白い。とはいえ、最終話は、何度も同じシーンがリフレインされて説明過多というか、お話としてまどろっこしい感は否めないが…。

オリジナル版のパートⅠとⅡ、エクソダスを何ともしても見ないとな…。 
もちろん劇場公開してくれるのは喜ばしいが、先にDVDを出してくれほしいなとも思う…。