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マーベル クローク&ダガーのshunのレビュー・感想・評価

マーベル クローク&ダガー(2018年製作のドラマ)
4.8
めちゃくちゃ良かった。個人的にはマーベル作品でもトップレベルに好きだったのになぜか評価低めで残念。

舞台はニューオリンズ、運命で繋がった二人が能力を得て悪に立ち向かうまでが10話で描かれます。
1人はダークフォースを使って瞬間移動が可能なクローク、もう1人はライトフォースによる光のナイフを発生させるダガー

ただ二人の能力はこれだけじゃなくて、それぞれ人に触れることで恐怖と希望を見ることが出来ます。
二人の運命が始まった8年前の出来事や背景がこの能力や記憶を通じて丁寧に語られます。

8年前の事故でロクソン社勤めの父親を亡くしたタンディは盗みで生計を立てるホームレスの少女。
それに対して同じ日に兄を亡くしたタイロンは優秀な両親の元で裕福な学校に通う優等生。

人種も性別も育った環境も正反対の二人。普通の世界だったら一生会うことさえ無いはずの二人の人生が交差するときに起きる奇跡。
他のどのヒーローコンビよりも固く結ばれた二人の関係が焦らず丁寧に描かれていました。

アメリカ南部が舞台ですが虐待や人種差別などの社会問題も随所に盛り込まれていた。
そしてやっぱり海外ドラマのいい所だなと思うのは宗教要素。今作では教会やカトリックの神父、ブードゥー教もストーリー上重要で、主人公たちの大きな影響を与えるパーツでした。

「ランナウェイズ」もティーンのヒーローものでしたが、そちらよりも二人の内面や葛藤、社会での生き辛さに重きが置かれている気がします。結構全体的に暗いですが考えさせられる点も多く上手い脚本だと思った。

映像も美しい。そんなに予算無いだろうけど無駄も無い感じ。白と黒、光と闇の描かれ方は派手さも無くてかっこいい。
音楽もとても良かった。Hulu系は結構BGMに力入れてる気がする。

他のマーベル作品との関連も沢山ありました。スターク社やランド社への言及、そして色んな所で目にするロクソン社がガッツリ登場。
クロークのパワーの源ダークフォースは「エージェント・カーター」であのおばさんが使ってたやつと同じですよね。

そしてハーレムから移動してきた女性刑事オライリーは「ルーク・ケイジ」のメインキャラで刑事のミスティ・ナイトと同僚だったことも明らかに。
もちろんスタンリーもいます。

ちゃんとMCUの一員だからいつか大スクリーンにも登場してほしい。絶対二人のパワーは映えるでしょ。個人的にはアニメみたいにスパイダーマンと共演してほしいです。

あとは4話で二人がお互いに言った
The universe keeps pushing us together.
The universe keeps pulling us apart.
ってセリフが好きです。二人の関係がここに詰まっていると思う。

一緒にいてもいなくても運命で繋がった二人のこれからが楽しみです。
タンディを演じるオリヴィア・ホルト超可愛いので彼女目当てでも十分楽しめるはず!

「クローク&ダガー」、国内外問わずネトフリのマーベル作品くらい知名度上がって欲しい...
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