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オードリーのnorisのレビュー・感想・評価

オードリー(2000年製作のドラマ)
3.7
再放送も4月からひと月、ようやく大橋梓の少女編が終わって、ヒロインが岡本綾になった。今見ても透明感のあるルックスに好感が持てるが、この人は2007年に突如事務所を辞めて失踪し、現在はどこで何をしているのかわからない(オーストラリアで見かけたという情報がある)。惜しいことである。

さて、私と同じようにこのドラマを初めて見たネット民は、大竹しのぶ演じるお母ちゃまの猛烈さに驚き、「地獄朝ドラ」と呼んでいるそうだ。たしかに、大石静はどういう意図があってこの異様な朝ドラを書いたのかと思う。

大橋梓編のクライマックスは、思いつめた大竹がついに「美月ちゃんを養女にください」と実父母(賀来千香子と、何を考えているのかわからない段田安則)に申し入れ、寝床でそれを聞いてショックを受けた大橋梓が家出してしまう、というエピソードだった。

異様なのは、こうした大竹の行動に批判的なのは賀来千香子だけという孤立無援ぶりだ(大竹の描き方自体は、まったく批判的でないのだ)。本作のヒロインは岡本綾以上に、あくまでも我を通す大竹と、それに耐えぬく賀来千香子のようにすら見えてくる。

来週からは大部屋女優編に入り、岡本綾は、あろうことか長嶋一茂にひっかかったりしつつ、椿屋女将編、女流監督編へと続いていく。その間、大竹しのぶは結婚したりするのだが、お母ちゃまとしての岡本に女優を辞めさせたりして、いよいよ執着ぶりは激しさを増していくようなので、地獄はドラマ後編まで続くようだ。

あとは最後まで見てから。
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