ヘイヘイ

ブレイキング・バッド ファイナル・シーズンのヘイヘイのレビュー・感想・評価

5.0
これまでたーくさんの作品を観てきましたが、実はこれが私のオールタイムベストドラマです。これを超えるものは、きっともうないかもです。
(原語、字幕、吹き替えで3周はした)

一言でまとめると、「ガンを宣告された高校の化学教師が、家族にお金を残すために覚醒剤をつくる」です。

これ以上に簡潔かつ的確なあらすじってないんじゃない?と自分でも思うのですが、全62話には、どうやっても語りきれない面白さが詰まってます。

2話の時点で結構エグい描写もあるので、どうしても合わない人はいると思います。
(同居人は2話目終盤の2階からグシャーのシーンで「よくこんなの観れるね」と言い残し、リタイアしていきました)

でも、S1より2、2より3といった感じで
どんどん面白くなってくるんです。
ハマり始めたら、もう気になって気になってしょうがなくなって中毒者です。だからS1観てそれほど?と思った人は頑張ってS5まで観てください。そしたら気づかぬ間に全部観れてます。(当たり前)
※そして、家族とは観ないでください。


本作については、言いたいことありすぎて、なかなか書く踏ん切りがつかなかったのですが、このタイミングでやっと書けそうです。

ということで、今回は自分語り多めです。
(チラ裏でごめんなさい)



この作品との出会いは私の大学時代、2010年にアメリカのメイン州立大学に留学していた頃まで遡ります。
※メイン州立大学は、あのスティーブン•キング氏の母校として有名です。家もBangorという近辺にあり、たまにいないかなーっと見に行ってました。

当時は、不慣れな環境でそれこそ毎日悪戦苦闘の日々を送っていましたが、運良く友人たちには恵まれ、同室のルームメイト(大学寮が1部屋に2人が基本であった)に絶対英語の勉強になるよ!とオススメされたのが”Family Guy”と”Breaking Bad”でした。(Family Guyも日本であんまり認知されてないですが、マジで(不謹慎で)面白いのでおすすめです)

ちなみに、アメリカのテレビって、ケーブル契約次第なとこもありますが、めちゃめちゃチャンネル数あって、各ジャンルに特化したものが多かったです。

ひたすらニュース、アニメが流れてるチャンネルがたっくさんあるんですよね。日本のSASUKEもNinja Warriorの名前で放送されてました(笑

その頃はちょうどシーズン3の放映中でしたが、並行して再放送もバンバンされてたので、オススメされたしちょっと観てみっか〜で観たらどハマりしてしまったんです。

交換留学の期間は1年ポッキリだったので、2011年に帰国したのですが、もう続きが見たくて仕方ない訳ですね。
もう禁断症状です、ブレイキング•バッドなだけに。

2011年時点では、日本では全然認知されてなくて、レンタルにも当然ないし、今みたいなサブスク配信も何もなかったので、ネットの海に転がってる動画にキャプションを付けて観続けてました。

正直なところ完全に理解できていたかというとその時は全然なのですが、それでも2013年に最終回までリアルタイムで観終わった瞬間は、これまで味わったことのない「1つの物語が終わった」感がありました。

ちなみに、海外ドラマってだんだん視聴者数が減って尻すぼみ&打ち切りになる作品多い(某L○ST、FRINGE、G○Tとか)のですが、本作は初回が140万の視聴者数に対し、最終回が1028万!とシーズン重ねる毎に人気に火がついた稀有な作品です。
自分も加速度的に中毒なった人ですが、やっぱりこの数字からもこの面白さは立証されてますね。


この作品の「どこがどう面白いのか」は観た人ならわかるし、観てない人にはネタバレをしたくないので、ここではあえて言及しません。

ただ一つ言えることは、
「Netflix入ってるならBreaking Badを今すぐみろ!(観てください!です、お願いします)」です。

ということで、ここから先は視聴済の方向けの”ココがヨカッタBreaking Badのコーナー”です。
観てる方のみスクロール願います。



















本当に好きなシーン台詞はいっぱいあるのですが、2つだけあげます。

“My name is ASAC Schrader”
-Hank Schrader
S5の14話「オジマンディアス」のハンクの最期の言葉、シビれます。
日本字幕では、ASACの部分が全く生かされてないですが、吹き替えでは「シュレイダー”主任捜査官”だ」と訳されてますね。

ウォルターがこの台詞の直前に、「ハンクだ、彼の名前はハンクだ」という流れがあっての”ASAC”(Assistant Special Agent in Charge)を加えた”My name is ASAC Shrader”がくるのが本当にヤバくてシビれる。
自分が殺されるのがわかっていても、最期の瞬間までDEAとしての誇りを持って対峙したハンク….(涙)

※ちなみに、IMDBの点数だとこのエピソードは10点満点です。なお、最低点数はS3のハエをひたすら捕まえようとするエピソードでした。



“All the things that I did…
…you need to understand”
-Walter
私のしたことは全て…わかってほしいんだ。

“If I have to hear…
one more time…
… that you did this for the family…
-Skyler
聞かなくてもわかるわ…
あなたはどうせまたこう言うんでしょ…
家族のためだったって

“I did it for me.I liked it.
I was good at it.
And I was really…I was alive…

“Before I go, may I see her?”
-Walter White

自分の為にやった…
好きでやった。私には才能があった。
それに心から思えた…生きている、と。

出て行く前に、娘に会っても?


S5の最終回、最期に妻のスカイラーに会いに来るシーンです。ここは男なら特にグッとくるのではないでしょうか。

家族のため、と始めたドラッグビジネス。
能力はあるのに世間からは認められず、旧友は成功して億万長者になった。心のどこかで自分は、もっとやれる人間なのに…という思いがあったウォルター。

でも、この言葉が果たしてウォルターの本心だったのか。それとも、スカイラーを気遣った言葉だったなのかははっきりしてないですよね。

個人的には、やっぱりそのどっちの思いもあったのかなぁと思います。ドラッグビジネスが成功してる時も窮地に陥ってる時も、平凡な暮らしにはなかった圧倒的な「生」を感じられたんだろうなぁと。

その代償として、愛する家族がバラバラになり、一度は助かった自分の命をも投げ打つことになってしまうのが、何とも皮肉であるし、それが人間だなぁと。

あとは、S2最終回あたりの”Which ?”(どっちのケータイ?)とか、S5の”Say my name”なんかもシビれましたね。

ちなみに、演出もさることながら、エピソードタイトルもとっても考えられているのもこれも言及しておきます。

例えばS5の1話、「Live Free or Die」ってニューハンプシャー州の標語なんですよね。ダイハード4の原題も実はこれです。
(語源も面白いのでぜひwiki参照)

そんでもってS5の15話は「Granite State」(ニューハンプシャー州)になってるという言葉遊び。
他にもよく考えられてるなぁ、ていう小ネタがたくさんあって、とっても知的なとこも本作が大好きな理由の一つです。

言葉の意味を調べる度に勉強なります。
あの時、Breaking Badを教えてくれたルームメイトがいてくれてよかった。
おかげで変な言葉もいっぱい覚えましたが(笑)


あー、Breaking Badについてアツく話せる人が1人でも増えるといいなぁ。。
ヘイヘイ

ヘイヘイ