サンタフェ

イエローストーン シーズン2のサンタフェのレビュー・感想・評価

イエローストーン シーズン2(2019年製作のドラマ)
3.4
うーん、だいぶ失速しちゃいましたね…。

本作はメインストーリーでいうと大きく「抗争」と「サクセッション(後継ぎ)」に分かれると思うのですが、とにかくサクセッションパートが全然面白くありませんでした。あまりに面白くなくて、なぜこんなに面白くないんだろうと考えてしまいました。

まず、第一に感じるのが三兄妹の能力がわかりづらい。本家サクセッションでいうシヴがとても優秀で、ケンダルはビジネスセンスはちゃらんぽらんなローマンにすら劣る、という能力描写の説得力が全然ないんですよね。唯一ケイシーが単細胞くらいで、ジェイミーがケンダルのように不出来であることも、ベスが優秀であることにも全然説得力がないんですね。

なので、ジョンの優遇やジェイミーのヘタレ具合がメタ的な脚本の都合にしか見えないところがあります。ベスの優遇は一応種明かしがあった形ですが、それにしてもうーんという感じ。

また第二に、本家サクセッションと違い、そもそも三兄妹全員別に利己的な理由で財産を狙ってるわけじゃないんですよね。ケイシーは家出していますし、ベスも農場そのものは好きじゃないですし、ジェイミーはただ父親に愛されたいだけ。

本家サクセッションはケンダルは自己顕示欲が強く、シヴは普段は家業に貢献する気がゼロなのに後継ぎの話になった時だけやる気を出すスタンス、ローマンはある意味で一番素直で家業のヒモ化しているので一番ローガンに忠実ですよね。

本作はサクセッションよりも遥かにパワハラで支配的です。サクセッションはコナーが象徴的ですが別に父親と関係ないビジネスしてても邪魔しなければ特に何も言われないですからね。それなのに子どもたち(特にジェイミー)が期待に応えようとしているだけなのに理不尽にシーズン最後の決断ですからね。物語の構造的にギブアンドテイクのバランスが全く取れておらずジョンの逆恨みみたいになっています。子は親の命令に従うもの、みたいな。

そういうわけでサクセッションパートが全然おもしろくなかったのですが、抗争パートも期待していたネイティブアメリカンとの抗争はなく繋ぎのシーズンになってしまいました。また、ジェンキンスの扱いが中途半端すぎ。あと、あまりノイズにならないので印象に残らないですが、冷静に振り返るとケイシーパートがシーズン1からずっと全く面白くないのも不満です。

結局、一番おもしろかったのはカウボーイたちのよくわからない肝試しみたいなパートと、しょうもないヤンキーみたいな因縁から派手に復讐するパートくらいでした。ジミーパートは面白かったですね!ベスの店破壊もよかった。

正直かなり失望のシーズンとなってしまったので、シーズン3以降は本筋の対ネイティブアメリカン抗争が盛り上がることを願います。
サンタフェ

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