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六番目の小夜子のtubameのレビュー・感想・評価

六番目の小夜子(2000年製作のドラマ)
3.8
中学校を舞台に「小夜子」の言い伝えを巡る学園オカルトミステリー。
存在は知ってたけど、怖いイメージがあって観たことはなかった。今回イッキ見再放送をきっかけに鑑賞。もう大人だけど怖かった笑 どこがどうっていうのは分からないけど、あの独特なテーマ曲が恐怖感を煽るのだろうか。

原作は高校生の設定のようだけど、中学生に変更したのは英断だと思う。
オカルト話ってそのくらいの頃の方がハマるよな。
今やスターになった俳優たちのあどけない姿が観れるのが楽しい。存在感のある栗山千明、等身大で可愛らしい鈴木杏、美少年の山田孝之、今とは雰囲気の違う山崎育三郎...
特に松本まりかはドラマ出演初とは思えない技巧派の演技で引き込まれた。

抑えきれない生のエネルギーと、言い様のない息苦しさと。
彼女たちが実際に中学生だからか、10代前半くらいの濃密な空気がぎゅっと圧縮して封じ込められていて、観ている自分も中学生に戻って教室の中に放り込まれた。引き摺られるように、随分久し振りに当時のことを色々思い出す。もう疎遠になった友達とか。この没入感は凄い。

脚本としては粗もあるんだけど、そういうのも含めて良さというか、子供の頃の土曜の夕方の匂いみたいなノスタルジーがあって良かった。
結構謎が残されたままなのも、視聴者の想像に委ねる感じで好きだな。
結末は「きっとあなたのそばにも小夜子伝説(みたいな不思議なこと)はあるよ」という示唆だと思っている。
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