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永遠の仔のgeminidoorsのレビュー・感想・評価

永遠の仔(2000年製作のドラマ)
3.9
当時ワタシは既にテレビを持たない生活(選択)をしていて。
併し原作者の本を片端から読んでいたので、知人から本作の存在を聞いてレンタル屋に並んだ途端に借りて観たんだっけ。

役者は一生懸命演じていたが、原作の重さを知るだけにヤケに冷めた目で観てしまった記憶がある。

自分も或る意味、毒家庭に育った過去が有り。振り返らなくとも、背中まで続いている道を鮭の様に遡れば、生まれ変わっても勿論二度とは御免な家庭が在る。
だが併し、過去は過去だ。
受け入れられなくとも受け入れざるを得ずだ。
しかし未来は変えられる。
ではなく、いつしか変わる。否が応でも、いずれは変わる=変わってゆくのだといつしか知る。
そう考えれば、やって来れた。

思えば…自然界の草や木や虫と同じく、ワタシ達自身も細胞毎変わってゆく。
世間や時代も見えないところで刻一刻変わる。
石も、岩も、変わらない様で必ず変わっている。みんなスピードが違うだけだ。

唯、待てない時もある。
時と場合の状況で、より"負の一歩"を踏み出してしまう事もあろう…
でも、踏みとどまるんだ。ギリギリでもいいし。
もし、他人にとやかく言われたら、暫し関係を断てばいいのさ。
寂しくても独りで黙々と"やれる事をやって"居れば、きっと、いつしか独りじゃなく成る時も来る。
いずれにせよ、ギリギリとかスレスレでもいいから、其の崖からは飛び降りてはいけないんだ。



でも自分は、払拭どころか"恨"の精神をバネに生きて来た時代が長きに渡った為かな、何を観ても何を聴いても誰と付き合っても、甘さや生温さに腹立たしさばかりが先に立って…
怒りや苛々や、つまりは怖れもあって。
笑ってはいけないんじゃないか…悦んでる場合ではないんじゃないか…って感じか。
純粋無垢に何も楽しめないケースが昔は多かったかも知れない。


この作品も観たタイミングなのか、どんな感動があったかあまり覚えていないのが正直なところ。
唯、何不自由無く育って不満ばかり抱えてる坊ちゃんやお嬢様が観た処で、暗い重い大変だね以外何も収穫は無いだろうと思う。

望む臨まず色々な経験を経て、現在では既に自分なりの"しあわせ"を大切にする生活を"地味に生きれている"ワタシ〜と付け加えておこう。

人間"生きていれば"どうにかなる。
色々な事が変わってゆくものだ。
"負の連鎖"は自ら断ち切るしかない。
誰もがそうだろう。
方法は生きぬくことだろう。
歳を重ねて現在なら解る。
若い時分の自分に強く教えてあげたい。

でも若い頃の自分には聴く耳も無いんだろうナ…
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