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ブラック・ミラー シーズン2の傘籤のレビュー・感想・評価

ブラック・ミラー シーズン2(2013年製作のドラマ)
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Netflix初のSF短編ドラマシリーズ。シーズン2も面白かった。演出、演技、設定、いずれも高クオリティ。リアリティショーって素材にちょっと頼りすぎな気もしたけど、現代の風刺を描くなら格好の題材ってことなんだろうな。あと、近未来だけがSFではないのだからスチームパンクとかスペオペとかサバイバルものとか、色んなジャンルで作ってほしいって思うのは欲張りでしょうか。

1話 ずっと側にいて
死んだ夫ともう一度会いたいがため、AI技術やアンドロイドを使い、その喪失感を癒やす話。この手の話から想像する既定路線から特に外れることは無く、拒絶→需要→拒絶→ある程度の需要という流れになっている。でも演出や演技、テクノロジーの描写が巧く、観ていて楽しい。最後のオチは人間の心の弱さとかエゴが垣間見えて好み。

2話 シロクマ
サバイバルもの、ちょっとデスゲームも入ってるかな。リアリティショーを消費する構造を描いてるようにも見える。あるいはゲームプレイ動画を眺める視聴者と、狩られるモブから見た視点の物語なのかなあとなんて思いながら観た。
にしてもオチがグロテスク。

3話 時の”クマ”ウォルドー
イギリスの選挙にアニメのキャラクターを立候補させることとなり……という話。ブラックユーモアな精神が感じられる政治劇です。風刺が効いてる話が多い『ブラック・ミラー』シリーズの中でもかなりストレートに現状の社会が抱えているいびつさを表現していました。罵詈雑言が多すぎてちと疲れたけど。

4話 ホワイト・クリスマス
雪山で出会ったふたりの男が3つの物語を語るという構成。ショートショート3本だてって感じで見たのだけど、3つとも見るとどんな話なのかがわかるように出来ている。冒頭のマッチング・アプリ×リアリティショー×恋愛ゲームの話、ふたつめのAIに生きてる人間の意識を複写することの恐ろしさ、簡単に関係をリセット出来るSNSやマッチングアプリの風刺……などなど個々の話も毒が効いています。
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