サセナッフ

ピーキー・ブラインダーズ シーズン5のサセナッフのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに他のドラマは一切見る気が起きない程夢中になったシリーズだった。最初は正直あまり期待していなくてバーミンガムのギャングモノと聞いて自分の守備範囲じゃないと思っていたけど見事にハマった。
S1~S5まで纏めた感想を書きます。

主人公のキリアン・マーフィー演じるTommy Shelbyが実に魅力的な男だった。ジプシー出身故にこうやって這い上がるしかなかったんだろう。
冷酷で観察力が鋭く行動を起こす前に敵を分析する。現実主義者で無宗教、胡散臭い霊感商法を嫌う。元英国兵で、第一次世界大戦に自ら志願して参加した。戦後復員してから、彼の性格が大きく変化したことが暗示されている。戦後トラウマやビジネス上のストレスを和らげるためにアヘンを使っている。彼は全シーズンを通してストイックで野心的である。S1でグレースと恋に落ち彼女と一緒にいることに安らぎを見出す。S2以降は地元のギャングから合法的なビジネスを増やし会社を大きくして労働者階級からの成功者となり地元の名士となる。

Tommyはたとえ家族のメンバーに問題や弱さを抱えていても家族こそが自分の強みになると考えるタイプだ。パニックになりそうな状況でも冷静さを失わない方法を知っている。時に我を失い妻に弱音を吐くこともあるがそこがまた母性をくすぐる。仕立ての良いスーツからツーブロックのカットまで自分の身のこなし方を知っている自己ブランディング出来る人。戦略的価値のないものには手を出さない。

彼は女性を使い捨ての快楽とは考えず、長い目で見て自分を助けてくれる有意義な関係を追求をする。S5でTommyはついに国会議員まで登り詰めナチスのシンパであるオズワルド・モズレーに出会う。彼は彼と手を組むが密かに彼の英国政府の情報提供者として行動する。Tommyは自分や家族への報復があると知りながらより大きな利益のためにそれを行う。

Tommyの男としての生き様に惚れたしこの先彼を見届けたいという想いがあるのでS6が待ち遠しい。
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