Ayakashd

ベター・コール・ソウル シーズン1のAyakashdのレビュー・感想・評価

4.0
渋い。なんて熟成された作品だろう!ブレイキングバッド もそうだったけど、この作品を通底する「善悪」の概念がむちゃくちゃ好き。その境界はあまりに微妙で壊れやすく信用できない。そのコンセプトにマジで痺れる。奇しくもマイクがプライスに対して喋る、good criminal, bad cop, an honorable thief うんぬんの例え話に、あーっ!だから好きなんだよマイク!!って思った。あのセリフにこのシリーズのコンセプトが詰まってるよね。そのコンセプトの示し方も洗練されているし。いいわぁ。

ジミーakaソウルのキャラがまたいい。BBでも好きなキャラだったけど、このシリーズで見せられる、彼の来し方の説得力たるや。うーむ、たしかにあのソウルの独特の倫理観が練り上げられたプロセスには、こういう事情があって然るべきだ。さもありなん。と思わず唸る。チャックはジミーにとってのウォルターみたいな感じかなぁ。この先どうなるのかしら。

当然ながら、ブレイキングバッド 前日譚としてブレイキングバッド トリビアもめちゃくちゃ楽しめる。トゥコ登場シーンでは叫んだけど、邦題変えた方がいいね。マイクの来し方が詳しくわかるのがすごい嬉しい。あの人、ブレイキングバッド では最初は脚本にいなかったんだよね?考えられない!ブレイキングバッド のライダーズルームの妙だよねー。都度プロットを練り、変えていくそのクリエイティブなプロセス。マイクがこんな重要キャラになるとは、だよねー。

こうして改めてブレイキングバッド で起きたことを反芻すると、それぞれの運命の数奇さに、打たれるような気持ちになるよ。すげードラマだ。インサイドのポッドキャスト聴きながらぼちぼち観よう。飽きないねぇほんとに。
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