96CHANG

ベター・コール・ソウル シーズン6の96CHANGのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

スピンオフが本編よりボリュームがあるだと⁉︎
見たかったブレイキングバッドがここにある
本編は人情モノを極端に避けドライで冷徹な物語に徹していた

様々な面でBBと対比になっている
BBがドライならこちらはウェット
BBは暴力を暴力で解決するが、こちらは暴力を言葉で解決する
BBは選択をしなかった男の物語、こちらは選択を間違い続けた男の物語

このシリーズではある種ベタだが、一筋縄ではいかない人間模様が丁寧に描かれる
キムとの形容し難い関係性(自滅衝動と共依存)
チャックとの歪な兄弟愛
ハワードとのライバル関係
信頼できる仕事仲間のマイク
死に様がかっこよすぎるナチョ

キムという非常に魅力的な人物の登場により男性社会すぎたところとかは大幅に変わっている
キムとの体温のある物語は最高
駐車場で煙草を回し吸いのシーン良すぎる(回し煙草は"悪"の共有)
キムが肩パンしてくるのウケる😂
そのおかげでBBは特異な物語に成り得た事は否定しない
だがそのおかげでノレなかったのも事実
別に脚本家が変わったわけでもないので人情モノを意図的に避けてたのは間違いない(書けないのではなく書かない)

モノクロが現在:過去がカラーという演出も良い(普通は逆になりそう)
美しいのは過去だけか…悲しい
ソウルは少し間違いを犯してしまったやつをほっとけないんだよなぁ

彼らには 
正義があった
情熱があった
愛があった…
高潔な魂を持ちながら選択によって少しづつ歯車が狂い始める
深い悲しみに満ちたアウトローおじさんたちの人間ドラマは見応えがある
登場人物たちの本編の結末を分かっていても深みがある
とにかくマイク。また会えて嬉しいよ

ラストシーンは完璧
何度も観せられていた煙草シェアシートと同じ構図がまた来て光だけが2人に平等に当たる(救い、正義を手に入れた)

シンメトリーで描かれる刑務所の入り口の引きの絵ではどちらも金網の中(自由はない)
96CHANG

96CHANG