サンタフェ

ベター・コール・ソウル シーズン6のサンタフェのレビュー・感想・評価

4.3
アルバカーキサーガ、お疲れ様でした。

私はベターコールソウル最終シーズンを機にブレイキングバッドからビンジしましたがリアルタイム勢には本当に一時代の終焉なのだろうな〜というにがビンジでも伝わってきました。追いついたとはいえ最後の瞬間に立ち会えて光栄でした。

以下、ブレイキングバッドも含めて全体の感想をいろいろと書いていきます。賛も否も書いていくのでファンの方はすみません。

個人的にはやはりカルテルが絡むパートが本当に大好きで、トゥコ、ガス、ナチョ、ラロが絡むパートは最高でした。とりわけベターコールソウルのラロ登場以降のシーズン4-6は本当に面白くて、個人的にはブレイキングバッドを完全に超えました。

一方でジミーとキムのキャラクター造形は最後まであまり刺さらずでした。というのもとりわけ創作として観ているとソウル・グッドマンというキャラクターの存在がわりと自然というか「どうしたら人はこんなキャラクターになるのだろうか」みたいな疑問が生まれないという点でした。

結果的にベターコールソウルS1-3は「ソウルというキャラにこんな壮絶な過去いる…?」とか「カルテル関係ない普通の弁護士なのになんでこんな性格悪い殺し合いみたいなことしてんの…?」みたいな違和感や、特にキムは最初から「良い人だけどソウルと出会って狂っていく」悲劇から逆算されたキャラクターに感じてしまいました。キムがソウルを好きなのも、物語の構成的にも最初からそういうものでないと作品が始まらないので、メタ的にまぁそうだよなという気分にしかなれなかったというか。キムは途中でソウルをも超えて暴走してる時が一番面白いくらいで、それ以外はどうしても人工物感を感じてしまいました。

ウォルター・ホワイトもジェシー・ピンクマンもソウル・グッドマンも個人的に理解できるというかスッと馴染むキャラクターだったのですが、ジミーとキムは最後まで掴むことができませんでした。

ベターコールソウル最終シーズンは正直ラロが死んでからは全く刺さらず最終話もわりと虚無の気持ちで観ていたのですが(というか物凄く長く感じました)、ただラスト3分の映像美は本当に素晴らしくて、しかもそれが今風でも流行りの80年代風でもなく、もはや50年代とか60年代とかくらいのクラシックな品格があり素敵でした。ベターコールソウルはシーズンを重ねるにつれて目に見えて映像が綺麗になっていって、そちらも楽しく観れました。

ケーブルTVドラマ最高峰の一つであるアルバカーキサーガの終わりとともに、同じく最高峰のゲームオブスローンズの続編がHBOmaxで始まり、さらに配信ではAmazonでロードオブザリングのドラマと続くのがなんとも象徴的ですね。
サンタフェ

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