おかだ

ベター・コール・ソウル シーズン6のおかだのレビュー・感想・評価

5.0
どこかクラシカルでありながら
革新的さも感じるカメラ割りに見惚れる。
一つ一つの画に意味があって、無駄が無い。
自分がもし映像を撮るなら、こんな風に撮りたいと思わされる。
脚本も素晴らしく、残り話数が少なくなるにつれて「そんな魅せ方があるのか」と度肝を抜かれる。
映像作品として1つの完成形を目の当たりにした。

--------以下最終話鑑賞後に追記--------

全シーズンを通して感じたことは多くあるが、全てを綴るのは不可能なので
ジミーとキムがタバコを分け合う
ラストの演出の美しさについて感じたことをまとめたい。

まず、タバコというのは一度火が着くと
いずれ燃え尽きるものである。
これは、有限である人生を彷彿とさせる。
これまで起こった様々な出来事によって、互いの気持ちや関係性は変われど
S1ep1のころと変わらず1本のタバコを共有していることから
人生をすり減らしてでも共に生きていくべきなのだというメッセージを感じた。
また、全体がモノクロで表現されているが
タバコの火には色がついている。
これは、彼らの中に確かな良心が存在していて、罪人ではあるが悪人ではないことを示唆しているのだと思う。
たとえわずかに灯る火であろうとも、それを人生における希望の光にして
2人はこれから前向きに生きていくのだろうと思う。
おかだ

おかだ