サラリーマン岡崎

中学聖日記のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

中学聖日記(2018年製作のドラマ)
4.4
ドラマって、3ヶ月限定である登場人物たちのことをまるで親の様に見守りながら、
喜怒哀楽することが楽しい。
現実にはそう簡単にドラマチックなことは起きないから、
ドラマチックな展開をしている彼らの成長を見届け、
自分の人生についても考えられたらとてもいいドラマだと思う。

『中学聖日記』は恋愛映画ではなく、
各登場人物がひとりひとり未来に向かって成長していくドラマだった。
目の前のことで必死で、自分を保つことで精一杯になるこの世の中で、
登場人物たちがもがきながら殻を破り、
その先にやっと「相手を想う」ことが出来、
人生が先に進めるようになる。
聖も教師として、初めは自分を律することにしか注力できなかったけど、
黒岩と恋をして、最終的に相手を想うことが出来たことは、
彼女を真の「先生」になった。

ただ、聖と黒岩が一緒になることが目的ではない。
誰もがまだ未熟で若く、どうしたらいいか答えなんてない世の中で、
もがいて、もがいた先に、幸せになるとはどういうことかをみんなが考える、
それがこのドラマの目的。
だからこそ、2人の恋の行く末より、
登場人物たちがどう決断していくのかが気になるドラマだった。
そうやって、彼らを見守ることで、
ちょっとは生きる活力をもらってた。

特に、最初は爽やかイケメンだった勝太郎が、回を追うごとに暴れる痛男に成り下がったけど、これは彼が殻を破れた素晴らしいことであったので、終始、勝太郎のことを応援してた。
でも、Twitterでは勝太郎に対する批判が多くあり、なかなかまだ日本も生きにくいなと感じた。