たわける

蘇える金狼のたわけるのネタバレレビュー・内容・結末

蘇える金狼(1999年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

最高すぎる。

セリフ回しや演出にはケレン味炸裂しまくりながら
そこに溺れる事なく
俳優の持つケダモノとしてのたぎり、
生命のほとばしる様が
互いの運命を揺さぶり物語を強く描いていってる。

まず香取慎吾がカッコ良すぎる。
たしか第4話でハメられて腹に弾丸喰らった香取慎吾が、
身バレを防ぐために出社してやり過ごし、
トイレでぶっ倒れてあらためて復讐を誓うシーンが
子供心にクソかっけえ!!とぶっ刺さって弟と真似して遊んだ記憶。

いかりや長介もすごかった。
ナチュラルに発してる凄味もですが、
孫を失って狼狽する様にはいかりや臭は皆無、
演出も相まって茂義 賀津夫として、
画面越しにも戦慄を与えてきました。

そして宅間伸演じる茂義 敬雄、
決して七光りに甘んじるタイプではないものの、
強大な父を超えたくて超えられない、
結局己の中の父に抗う事でしかアイデンティティを確立できていない彼が、
娘を失い父親にも見捨てられ
ただの茂義 敬雄になっちまった時に、
群れをなすことをやめた獣としてただ野を行くが如く
滅びの荒野を歩み始めた事で、
初めて父親の脅威にすらなり得るという
変貌の過程が素晴らしかったです。

そしていかに熱く燃え盛ろうとも、
過去からどれだけの威光が差し込もうとも
その時が来れば、誰もが等しく一瞬でむなしく死んでいく。

『蘇える』(タイトルまま)とは一体なんの事なんだろう。
わからんけど、このドラマ大好きなので
ソフト化お願いします…!
たわける

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