ねまる

ザ・クラウン シーズン1のねまるのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン1(2016年製作のドラマ)
4.2
イギリスの役者陣にボコボコに殴られ続ける、格式高き王室ドラマ。
イギリスの役者さん達って、演劇学校通って、舞台の経験も豊富で、っていう職業:役者が多いからか、
名前の存じ得ないどんな俳優も、1シーンでも、はぁとため息のつく上手さ。
時々ちょっと過剰で、入り込めない時もあるんだけど、それよりもひたすらに圧倒されることが多過ぎる。

エリザベス女王と、チャールズ皇太子と、同じ時代に生きていることは知らなかったけどチャーチル、くらいしか知らないくらい王室系無知だったけど、
とにかくガッチガチのガチな伝統と尊厳で徹底していて、興味深かった。
尊厳を守るための、葛藤や苦悩がそこにはあるのに、絶対的な地位を感じる。
日本の天皇とはまた違う、、何か。
私はイギリスの作品や物や文化が好きなんだなと思うけど、まだまだ知らないことばかりだ。
でも、この国の守護者の語る儚い誇りが、私は凄く頷けるから、合っているのだと思う。

演技はみんな凄すぎて、
特別誰かを語るのはもはや難しいけど、
私の推しはヴァネッサ・カービー。
主人公クレア・フォイとの姉妹のシーンが絶品だった。
互いに互いを嫉妬し合いながらも、言葉に出して表現して言い合える、正反対の姉妹。
彼女の中の強さも弱さも一途さも、全部丸ごと好きだった、マーガレット。
タウンゼントとの恋の行方こそ、歴史ドラマでありながら毎話テーマを持って描かれたこのドラマの、1つの終着点であったと思う。

もちろんクレア・フォイも素敵。
王冠を初めて被ってみるシーンのあどけない表情が脳裏に残っていて、
あのシーンを思い出す度、その後の女王としての表情の変化を感じる。
責任と重圧と公務とプライベートとで引き裂かれそうな心を、あまり表面には出さず内なる自分と葛藤する強さ。
それが彼女の強さなのだと思った。
そして、彼女を支えたジョン・リスゴーのチャーチルの存在も見事。

全6シーズン、60話を予定しているというこのドラマ。
私が全部見終わるのはいつだろうか。
とりあえず、一度シーズン2まで観てキャストチェンジのところで一時停止だな。
ねまる

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