きみどり

ザ・クラウン シーズン4のきみどりのレビュー・感想・評価

ザ・クラウン シーズン4(2019年製作のドラマ)
5.0
サッチャーを演じるジリアン・アンダーソンが登場するや、その場のすべてを持ってく感のあるシーズン4でした。政治家としても私人としても強靭かつ醜悪(すごい褒めてる)なサッチャー像に圧倒された。

彼女を迎え撃つ王室の態度もまた醜悪そのもの。過去シーズンの英王室は、それでもいくらかの憧憬や哀愁をもって描かれていた気がするが、今回はみな一斉に牙を剥く…な演出で、シリーズ後半へ向けて転調するべく舵を切ったのかな。

皇太子夫妻の不幸な結婚や問題児アンドリュー王子の描写など、すべての観客が知っている結末に合わせて伏線を張らねばならず、しかも登場人物はどんどん増えていくしで、物語の交通整理をさばく脚本はやはり上手いなあと思う。

それにしたってチャールズ皇太子よ。気の毒な生い立ちなのは分かるが…はよ大人になれ。人類みな、ある意味では気の毒な生い立ちなんだよ。

ダイアナ妃役のエマ・コリンもなかなかの憑依芸だった。この服もあの仕草も写真で見たことあるある! 実際のダイアナ妃よりはるかに華奢で儚げな雰囲気だけど、役柄にはそれがむしろマッチしていたかも。
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