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ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン1のrensaurusのレビュー・感想・評価

4.7
あらゆる層が乗れる、ジャンルを網羅したような雑多感と、市場を大きく変化させたサブスクという映像作品鑑賞体系の普及において、まさに記念碑的な作品だと思う。

80年代のリバイバルが流行っている近年、今作はそれを真っ向から取り扱っており、リバイバルブームの筆頭とも言える。シーズン通してちょくちょく使われる80年代の楽曲は、その雰囲気作りに大きく寄与しており、懐かしさや一周まわった新しさを感じられる。作品通して、『E.T.』『IT』『STAND BY ME』辺りの匂いが強く、スピルバーグ感、スティーブンキング感も味わえる。つまりは、子役も素晴らしい演技を見せてくれるのも今作の良さである。

加えて、『アキラ』『エルフェンリート』『リング』などの日本作品に影響を受けているところも親近感が湧くし、日本も今シリーズに負けないくらいの映像作品を作ってもらいたいものだ。

子供、思春期、親世代の三つの世代にレールが敷かれながらも、ホラー、SF、モンスター、サスペンス、アクション、ラブロマンス、友情モノ、人間ドラマなどの多ジャンルが詰め込まれた作品ながら、チーム分けをして集合させていくことでフィナーレまでの流れが分かりやすく、纏まりがいい。1シーズンで大満足できる欲張りセットみたいな作品だ。

強いて言うならシーズン1は、スロースタートなのがネックだ。ただ、それを楽しめることこそがサブカルチャーオタクの真髄なので、サブカル気取りのミーハーな輩を篩に落としたり、楽しみ方を学ばせる意味でも良い構成だと感じている。

続くシーズンも非常に良く出来ており、時代を巻き込むような巨大シリーズを目撃できていることに感謝したい。
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