Ronnie

忘却のサチコのRonnieのネタバレレビュー・内容・結末

忘却のサチコ(2018年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

おもしろかった。原作もちょっと読んだけど、サチコのキャラはドラマのほうがよりカリカチュアされており、またそれが高畑充希の眼力の強い演技と相まってハマっていた。ふだんのキチキチとした振る舞いと俊吾の思い出フラッシュバックの対比がおもしろいと思っていたが、見進めるにつれ、なにやらサチコの心情に共感というかなにやら惹かれるところがあり、最後の方はけっこう感情移入しながら観てしまった。

ラストの俊吾の振る舞いはちょっと「??」だったが、部下の小林との関係を第一話の鯖味噌と味噌汁のエピソードを絡めて見せたのはうまいなあ。サチコは小林の好意をはっきりと分かっているわけではないが、思わぬところで考えが一致した描写は、今後の二人の距離が近づくかも? と思わせるところがある。

俊吾とヨリを戻すのか? と思ったが、彼が作った石狩鍋を挟んで、はっきりと断るところは良かった。料理で忘却するのではなく、自分の意志ではっきりと忘却することを伝えたわけだ。

ところどころのコスプレなどはちょっと観ていてやりすぎの感もあったが、コメディに振り切った演出ということなんだろう。原作もそうなってたし。スタッフが愛情を込めて作っている感じが伝わってきて、観ていて楽しかった。

やっていることは孤独のグルメとまあ変わらんのだが、孤独のグルメがハードボイルド寄り、とはいえドラマはすっかりコメディよりになってしまったが、それに対してこちらは完全にコメディに振り切り、さらにそこにサチコの恋愛感情を入れ込むことで、孤独のグルメが開き直ったマンネリズムであるのに対して、こちらは連続ドラマとしての軸がきちんと通っていたのが印象的。

たまにはこういうドラマ見るのもいいもんだな。
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