サセナッフ

THE TUDORS~背徳の王冠~ シーズン4のサセナッフのレビュー・感想・評価

5.0
S1-S4まで纏めてReviewします。

非常に見応えのある38話だった。英国のばら戦争後、英国チューダー朝のヘンリー8世が治世した38年の大河ドラマ。正に波乱万丈の人生だった。個人的には英国宮廷モノに嵌った記念すべきシリーズ。

ドラマの多くは政治工作、裏切り、暴力(処刑や拷問シーンがGOTよりはるかに残酷)、セックス、スキャンダル、ゴシップなどが満載で一秒たりとも退屈しなかった。当時はローマカトリック全盛の時代で離婚が認められない時代。自分の離婚の為イギリス国教会を設立。その時代に6回結婚した王はヘンリー8世くらいではないだろうか。1人目の妻は追放その後病死、2人目は姦通罪処刑、3人目は産後病死、4人目は写真(当時は肖像画)と違うと難癖つけて離婚、5人目は姦通罪処刑、6人目はヘンリー王が先に死別。事実は小説より面白い。

ヘンリー8世を演じたリース・マイヤーズは繊細かつ冷酷で尊大な狂王がぴったりだった。脇を固めた役者達も見事だった。王の親友かつ臣下のヘンリー・カヴィル(サフォーク公爵チャールズ・ブランドン役)、ジェームズ・フレイン(トマス・クロムウェル役)、サラ・ボルジャー(メアリー・テューダー役)、ナタリー・ドーマー(アン・ブーリン役)、マリア・ドイル・ケネディ(キャサリン・オブ・アラゴン役)、ジェレミー・ノーザム(トマス・モア役)、サム・ニール(トマス・ウルジー役)等列挙にいとまがない。とにかくGOT並みに人が処刑や拷問で死んでいく。斬首だけでなく、火あぶり、焼けた鉄棒で直接内臓をえぐるなど残酷極まりないがそれも史実だったと知り驚き。中世の王を中心とした階級社会(貴族内でも序列アリ)と過酷な宮廷社会の闘争から目が離せなかった。

衣装は美しくセットやロケ地も完璧だった。15年前の作品ながら撮影の技術レベルも今にひけを劣らず素晴らしい出来だった。当時のエミー賞を含む49の賞の受賞も納得しかない。
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