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善徳女王のruublueのネタバレレビュー・内容・結末

善徳女王(2009年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

️ 善徳女王
イ・ ヨウォン オム・ テウン
キム ・ナムギル ユ・ スンホ

先王の悲願。運命の元に生まれた王女の辿る生涯。時代をより良い方に変えようと奔走する女王の家臣たち。祖父である先王、父の現王、生まれた時に身を隠さなければならなかった数奇な運命の女王。

三世代に渡る時を経て王の希望は叶えられるのか。韓ドラ時代劇が最も言いたい事を心血かけて注入したような、正統派に位置する作品だと思います。



登場人物が非常に多い時代劇ですが、この物語を締める重要キャラクターとして悪役の美室、ミシル (先王を操ったとされる悪女家臣 剣も立つ)の振り幅の大きさに圧倒される。単に権力欲の権化とは言い切れない大きな器の策謀家として一時代を築いた人間像として描かれています。


陰と陽。英語圏のドラマには無い光と陰は東洋人の間では共感出来る情念とも言える部分なのだろうか。白黒に分断出来ない人間の善悪含めた側面や懐の深さをたっぷり魅せる作品。


単純に正義のキャラだけでは物語に深みは出せない事をこれでもかと教えられる。悪人がなぜ悪人に成らざる得なかったのか。
光を取り戻すチャンスが目前に現れたとしても掴まないなりの理由が重層的に描かれる。ダークサイドが光るほど物語に奥行きが出る事を教えられた作品。



善徳女王のサントラをゲットしたのはドラマ視聴後しばらくしてからだった。全体的に壮大なクラシック寄りの一枚となっている。その中でも、ミシルのテーマに今でも心を掴まれっぱなしの私です。


70〜80話が普通の韓ドラ時代劇に取り組むのは一つの山に登るように体力、気力が必要です。全話視聴後は感動系のゲームをコンプリートしたと同様の安堵感に包まれます。そしてお約束のロス状態も。

先ずは冒険活劇でありシリアス面を上手く中和する小気味好い笑いの要素やしっとりとしたラブライン。日本人の持つ優しさとはベクトルの違う優しさに酔いしれる。

作りが非常に巧妙な韓ドラ時代劇です。
次はどうなる!?ハラハラドキドキの連続が心憎いばかりです。善徳女王は韓ドラ時代劇の代表作の一つじゃないかと思います。
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