こたつむり

沙粧妙子-最後の事件-のこたつむりのレビュー・感想・評価

沙粧妙子-最後の事件-(1995年製作のドラマ)
3.5
サスペンスの世界は日進月歩。
放映時(1995年)は斬新で刺激的だったとしても、既にセピア色になっている…というのは当たり前の話。人間は刺激に対して鈍感になっていくのです。

それは本作についても同様でした。
犯人探しという側面だけで捉えると、現代の知識および感覚で臨めば第3話が終わった時点で看過できることでしょう。少なくとも、本命と対抗馬くらいまでは絞り切れるはずです。

また、配役もバブルの残滓のよう。
例えば、浅野温子さんはどこまで行っても浅野温子さんなんですよね。髪をかき上げる姿や、見上げるような目つきなど、いつもと同じ仕種が“懐かしく”思えるほどでした。

しかも、本作の場合、笑顔を封印。
これは魅力度半減ですよね。眉間に皺を寄せた表情は“男前”で格好良いものの、コメディ仕立てのドラマに慣れ親しんだ身からすると、違和感でしかありません。

でも、逆に考えてみれば。
お宝を見つけたような気持ちで楽しめば良いのです。

例えば、ゲストは豪華絢爛。
中学時代の広末涼子さんとか(当時、彼女が一大ブームを起こしたことが分かる清涼感)香取慎吾さんの怪しげな役柄とか(よくもまあジャニーズが許したなと思います)なかなか興味深い場面が多いです。

あと、何よりも飯島直子さんですよね。
某缶コーヒーのCMで世の男性を癒した雰囲気が満載でした。あんな彼女がいたら、そりゃあデレますよ。色々と“良いもの”を見せていただきました。

ちなみに柳葉敏郎さんについては。
今では《室井監理官》としての印象の方が強いので、そこに至るまでの研修期間と捉えれば、多少の違和感も目をつぶることが出来ると思います(後半の展開は微妙)。ただ、第1話の背広はサイズが合っていませんが。

まあ、そんなわけで。
サスペンスドラマに慣れ親しんでいる場合、お宝映像を楽しむという観点で臨んだほうが良い作品。後から知りましたけど、反町隆史さんや神田うのさんも出ていたとか。いやぁ。気付かなかったなあ。
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