Morohashi

13の理由 シーズン1のMorohashiのレビュー・感想・評価

13の理由 シーズン1(2017年製作のドラマ)
5.0
様々なことが理由で自殺をしてしまった女子高校生ハンナがその13個(人)の「理由」を遺言のようにテープに吹き込んだ。
主人公のクレイはそのテープを聴きながら、ハンナの足跡を辿る。

その理由には、友人との不仲、誤解、自らの過ち、いじり、いじめ、レイプなど多岐に渡り、そこに将来への焦りやまわりからの期待などが重なっていきます。

他の人も書いている通り、必ずしも外的な要因だけではなく、彼女自身の不用意な行動や不注意によって彼女が追い詰められてしまう場面もあります。

ただ、彼女が不運だったのは、彼女自身が悩みを誰にも打ち明けられず(人間不信になっていたせいで数少ない善人のクレイを遠ざけてしまった)、先生もスキルの面で専門性に欠ける部分があり、やること為すことマイナスにしか作用しないように見えてしまっていたこと。

また結構序盤に出てくるSNSを始めとするスマホの存在も大きい。
SNSの中の不用意な発言やいじり、いじめはあっという間に拡散し、しかもそれを完全に消し去ることは事実上不可能。さらにそれに被害者や大人が気付く頃には相当蔓延している状態にあり、取り返しがつかなくなってしまう恐れがあります。

そういった危険性を小中学生・高校生に十分に認識させていないままにSNSの使用を容認しているソーシャルメディアの責任は大きいと思います。

また日本の学校でのSNSのリテラシー教育はどちらかというと「身分がバレないように気を付けよう」「著作権を侵害しないように」「トラブルに巻き込まれないように」と、どちらかというとSNSから距離を置かせることで学校としての責任を回避しようとするように感じることが多いです。

しかし日本人のSNSの利用度は非常に高く、その意味ではこのドラマの中の出来事はあながち過激な演出とは言い切れません。

わりといろんなことを隠さずに見せる方向のものなので気分を害するかもしれないけれど、ある意味ネットいじめの一つの末路を見られる生々しくも実践的な教材とも言える。

この時代だからこそ多くの子ども・保護者・教職員に見てほしい番組。
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