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29歳のクリスマスのtubameのレビュー・感想・評価

29歳のクリスマス(1994年製作のドラマ)
4.3
気の合う同世代の友達同士3人組が、恋に仕事に七転八倒する大人の青春ストーリー。

放送時は大人気だったという本作。
流行りのカルチャーをたっぷり盛り込みつつ、景気の良い時代の明るさを背景にしたキラキラした輝きと勢いがぎゅっと閉じ込めてあって、今観ても面白い!そのエネルギーでこちらも元気になれるようだった。
もう古い価値観もあるけど、そういうのも含めて今じゃ絶対出せない当時の空気を味わえるのが良い。
山口智子の自然体の美しさも、スタイル抜群の松下由樹も目の保養。


3人はそれぞれ欠点がある等身大の人物像で、え~それはないよみたいな行動を結構取ったりするんだけど、それが却って友達の話を観ているような感覚もあり何だかんだ楽しかった。
きっと当時の視聴者もTVの前で「典子かっこいい!」「賢ちゃん頑張れ」「綾はその男と早く別れろ」とか、画面の前でワーワー言いながら観てたんじゃないかな。
いい大人になっても集まってギャーギャー騒いだり、言いたいこと言い合って衝突したり、思いやって励まし合ったりする3人の関係性も羨ましかった。
メインが女2男1という珍しい組み合わせも、普通のドラマとはひと味違った化学変化をもたらしていたと思う。
あざと女子の水野美紀や肉食系の仲村トオルなど脇役も面白かった。


恐らく女性が男性と同じように働くようになって男女とも生き方が多様化してきた過渡期の時期の作品だと思うけれど、前時代的な価値観が当たり前にある世の中で「自分らしく生きたい!」と精一杯自分なりの道を探す姿は世の中が変わっても共感できるものでもあった。
やたら昔の男に拘ったり、賢周りが妙に上手くいく展開だけは男性の理想像ぽかったけど(まあ脚本家が男性だしな)。


最後の結末は正直疑問も感じたけど、そこまでの3人の関係性を考えると理解出来なくもない...というか全て最後の結論ありきでの力関係だったようにみえる。
綾の無意識の甘えが凄すぎて素直になれよ...とか、賢ちゃんの話も聴いてやれよとか、二人ともカナの上辺だけで判断し過ぎだろ...とか思ってたの全部回収されたもんな。


非常に登場人物たちのパワーを感じたドラマだった。OPのマライアキャリーも名曲。
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