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アンという名の少女 シーズン3のkmiwのレビュー・感想・評価

4.5
シーズン1,2と来て、3の途中までたどり着きましたが、ネトフリドラマ良作多い。

(一部の)少女(や元少女)にとって永遠の憧れ、🌿赤毛のアン🌿🌿

を原作とした社会派ドラマとみた。
大筋は、貴女も私も読んだ村岡花子版小説や世界名作劇場のアニメ赤毛のアンで間違いない。が、ネトフリVer.はただの少女の成長譚ではないと回を重ねる毎に気付くだろう。

時代を背景とした、差別問題、ハラスメント、性的マイノリティ、教育問題、地域社会の在り方、少数民族問題、虐待によるトラウマなんぞがぞろぞろと練り込まれている。その大半は解決するわけでもなく、後は皆で考えよと言わんばかりの放置である。良いことだ。押し付けの答えなんて何の解決にもならないから。

それでもグリーンゲイブルズのアンという骨格は失われず、ロマンス少女小説のドラマとしてしっかり成立している不思議。
最終章近くで、学校のダンスの練習を通じてアンがギルバートへの愛情に気付く下りなぞは、半世紀生きてきた私もドキドキモジモジニヤニヤであった。

また、当時の町並みや服装、食含む文化、生活の様子の再現が素晴らしく詳細で興味深い。
アンを演じている女優さんは見事にアンである。他キャストもあまりにもその役にしっくりくる。ホントにその人達なんじゃないかと思える程度にリアリティを感じる。

得るものがたくさん有ったドラマだった。

いろんな理由があったそうで、シーズン3で打ち止めとなったらしい。残念極まりない。4以降は望むべくも無いが、27エピソードでここまでの濃い内容を観ることが出来てちょっとした年末のご褒美をもらった気分。
よろしければご覧になってね。
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