玉造

アンという名の少女 シーズン1の玉造のレビュー・感想・評価

4.2
赤毛のアンをドラマにした秀逸な作品。実はこの有名な原作を読んだ事がないので、あくまでベースにした内容だと思う。
農場を営むカスバート姉弟に手違いで会うことになった孤児のアン。
そこから長い物語が始まる。

時代は1800年代後半。まだ福祉などの概念などなく、孤児院は劣悪。その中で育ったアンは人一倍感受性が豊かであるがゆえ妄想癖があり、賢さが仇となって院長や年上から酷い扱いを受ける。
それはアンがたびだびトラウマの様に思い出すシーンで分かる。
口が達者で空気が読めず、妄想する子供がいたら自分も苦手だ。

何よりマシューと出会ってなかったらアンは生涯子守と召使いの人生だったかもだ。アンを理解し、始めは渋る姉を諭し、受け入れる。マシューも大人しく馴染めない子供時代だったことも描かれる。
姉マリラの青春、叶わなかった恋と人生。女性は結婚するためだけの躾、教育。豊かさと貧しさ。人種差別。
ジャンルは児童文学だが、歴史学でもある。何よりインディアンへの差別、迫害、ジェノサイド。
先住民問題が取り上げられた事により、シリーズが進まなかった、インディアン家族がどうなったのかハッキリしなかったと言われている。
赤毛のアンを通して歴史も学ぶべき。
玉造

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