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もう涙は見せないのnorisのレビュー・感想・評価

もう涙は見せない(1993年製作のドラマ)
3.5
「もう誰も愛さない」に始まる吉本昌弘のジェットコースタードラマの3本目。今、早朝にTVKで再放送しているのを録画しているわけだが、「もう誰も…」の後にこれが始まったので、次は2本目の「あなただけ見えない」(幻の月9ドラマ)も放送してくれるかもと期待している。

聞きしに勝る、という感じで、冒頭15分足らずで、3人の女子高生が男を滝壺に突き落とし、その直後に男の子どもを妊娠しているのに気づきケベックの教会で出産、しかし赤ん坊は養護施設を経営する野口五郎に誘拐されて虐待を受け続け、20年経って後藤久美子に成長した、というところまでが描かれる。ツッコミを入れる間もない早業である。

ゴクミは「K・K」というイニシャルを頼りに母親を探すのだが、それがつまり冒頭の3人の女子高生ということで、今は手塚理美(テレビ制作会社の社長)、萬田久子(銀行員の妻)、名取裕子(仏文翻訳者)の誰かというわけ。ケベック教会のシスター(ティナ・グレースという詳細不明のアイドル歌手)が殺され、伊原剛志の刑事が話に割り込んでくるのだが、これも出自がゴクミに絡んでいたり、滝壺に落ちた男が生きていたり、Wikipediaによると名取裕子の母親をゴクミが二役で演じるらしいのだが、なぜそういうことになるのか、展開が予想不能すぎる。

役者は全員棒読みだし、伊原はすぐにピストルを撃つし、90年代の人たちは本当にこれらのストーリーを理解できていたのだろうか。
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