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ゲーム・オブ・スローンズ 第二章:王国の激突のhasseのレビュー・感想・評価

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暴君ジョフリー王の治世の限界が露呈し、ロブ・スタークやスタニス、レンリー兄弟らラニスター家に反逆する者の奮闘が目覚ましい。だが彼らも一枚岩でなく、常に家中で小競り合いを繰り広げている。
メリサンドル、クァースの不死の館の黒魔術師、ジャクェン等、妖術を使う者たちやホワイトウォーカーの存在がじわじわと表舞台に立ち現れてきた。諸国の合戦絵巻にファンタジー色を彩る点描は今後どこまで拡大していくのだろうか?
小評議会の連中は王の近くで策謀を巡らせる。ベイリッシュ公は己の立身出世とキャトリンへの想いの成就を第一に考える利己主義者だが、ヴァリスが常に案ずるのは保身でもなくましてや王家の存続でもなく、「国体」である。国を形成するもの、それは多くの者が正しいと思い込むことで形を成す力を基盤として存在する。ヴァリスにとって「王が誰であるか」はどうでもよく、「その王が国体の中心たりえるか」が重要だ。ヴァリスがティリオンに肩入れするのはその点で思想が通い合っているからだろう。
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