TaiRa

ゲーム・オブ・スローンズ 第三章:戦乱の嵐-前編-のTaiRaのレビュー・感想・評価

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いよいよ面白くなって来た感じ。3シーズン掛けて徐々にファンタジー要素が強くなって行くのも今シリーズの上手いとこ。

第一章から第三章までが全体の第一幕になるのかな。第三章のクライマックスにあたる9話『キャスタミアの雨』をジョージ・R・R・マーティンは『氷と炎の歌』三部作の第一部クライマックスに想定してたらしいし(実際には七部作の第三部)。ある意味ここで「五王の戦い」が一段落して次の段階に行く。全体通して第三章は辛い。終わりが来る事を予感させる幸福の積み上げが残酷。ロブとタリサの関係を美しく描けば描くほどフラグが立つ。原作ではタリサ(にあたる人物)は「あの場所」に行かないから意外な展開だったんだろうな。ロブもキャトリンも過去の選択でいくつか間違いを犯しているからなぁ。あの時ああしてれば……みたいな想いが一気に去来する。一方でシオンみたいにとことん酷い目に遭う人物も。彼の犯した間違いもやはり酷いし自業自得の面もあるが。それにしても可哀想。それはジェイミーもそうで、彼が酷い扱いを受け続けるのも彼の罪に依るもの。間違いを犯し、その罰を受ける過程で根本的に人間性が変わって行く。第一章の第1話で最悪の人間だったジェイミーに情が湧いてくる。ブライエニーに語る「王殺し」の背景も含め、彼が「悪人」と言えるか判断出来なくなって来る。タイウィンが権力を手にした事でラニスター家の子供たちが道具の様に扱われるのも不憫。あのサーセイにすら同情。彼女がティリオンに淡々と語る「人生最良の時」が切ない。ティリオンはシェイと結ばれず可哀想だけどサンサにとっては救いに見えてホッとした。戦況が変わるごとに政治劇がより複雑化して行くのが面白い。デナーリスがどんどん力を持って行く過程もゾワゾワする。恐ろしい子。ジョンとイグリッドのイチャコラからの切ない別れ方もエモい。イグリッドの葛藤が弓矢で描かれる。ジョンにバシバシぶっ刺さるが殺すまでは行かない/行けない。今シーズンの好きなキャラはジェイミー、好きな組はサムとジリ。フレイの娘が美少女だった時のエドミュアの喜び方クソ笑った。
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