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ゲーム・オブ・スローンズ 第四章:戦乱の嵐-後編-のhasseのレビュー・感想・評価

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結婚の宴の最中、ジョフリー王が殺害され、サーセイによってティリオンが犯人だと弾劾される。哀れなティリオン。しかし、ティリオンが追い詰められると面白くなる作品なので、しょうがない。キャトリンに移送される途中のゴロツキとの戦闘、アリー城での決闘裁判、王都防衛戦。ティリオンは追い詰められても機転のきいた弁論で切り抜けてきた。

ラニスター家は王国の中枢を牛耳る悪玉として描かれる。それはタイウィンの影響が大きい。彼は決断力、行動力、洞察力に秀でた傑物だが人情は持ち合わせていない。他家の人間には容赦なく、また身内を重んじる発現をしながらも、実のところ手駒として扱うことしかしない。
彼の三人の子供たちは、彼ほどの才覚もなく、人格者でもないが愛を知っている。サーセイはティリオンのことは殺してやりたいと思っているが、ジェイミーと子供たちへの愛は本物だ。暴君で誰からも愛されないジョフリーを、唯一愛していたのは彼女だ。ティリオンはヴァリスが言う通り他人への思いやりがある。身内以外は全員敵だとみなすサーセイと違って彼は根本的に人が好きなのだろう。ジェイミーは、サーセイのこともティリオンのことも愛している。国王殺害容疑後、サンサ、シェイ、ブロンと身近な人が離れていくティリオンに最後まで寄り添った。彼がラニスター家のバランサーだ。
皆それぞれ愛は持っているがすれ違い、歪な関係を生み、歯車が噛み合わず全てが悪い方へ転がり落ちていく。この人間臭いドラマが好きだ。
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