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ゲーム・オブ・スローンズ 最終章のhasseのレビュー・感想・評価

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狂王の死語、北部と東の大陸の最果てに散ったターガリエンの最後の血筋が再びキングズ・ランディングを蹂躙し、権勢の復活に王手をかける。その試みは失敗し、王座はドラゴンの炎に溶かされる。

シリーズを通して、「愛と義務」の狭間で葛藤し、選択を誤り、死んでいった人、滅んでいった一族を死ぬほど見せられてきた。タイレル、ボルトン、フレイなどといった由緒正しき名家も、一夜にして亡きものにされてしまう戦国乱世だ。
数少ない成功者と言えば、最後に評議会に加わったメンバーとサンサくらいか。ブロンのように金払いのいい主君をその場その場で選ぶ生き方もあれば、ブライエニーのように愚直に騎士道を全うする生き方もある。戦国乱世で何が正しいのかは分からないが、少なくとも、彼らは味方にする人間を間違えなかったことは確かだ。

明日が夜の王との決戦だというのにブライエニーを口説こうとするトアマンド好き。人生楽しそう。ブライエニーをみんなで騎士に任命するくだり好き。

最終章の展開は意外性に欠け、映像に説得力がなく、失速感が否めなかったが、これまでかぶり付くように夢中に一気観した体験は忘れられない。ありがとうゲームオブスローンズ!

好きなキャラ メモ
・ティリオン…弁論と機転で生まれつきのハンディを覆し、幾度も修羅場をくぐり抜ける才覚。基本的に人への思いやりが深いし、人が好きなんだろう(虫を潰しつづけたいとこへの狂気的な興味エピソード)。物語の推進力。ティリオンが追い詰められると話が面白くなる。
・タイウィン…全キャラの中でもトップクラスのパラメータ持ち。政治、戦争どちらにも秀で行動力、決断力がある。とにかくカッコいい。ティリオンと対照的に冷酷で人を盤上の駒としか見ていない。獣を捌く初登場、便所で退場という人間臭さが憎めない。
・サーセイ…王政をかき回した諸悪の根元といっても差し支えないくらいだが、どうしても憎めない。子供たちやジェイミーへの惜しみ無い愛情は本物だから。自分が誰よりも正しく高潔と思っているがおつむが弱いところはちょっと可愛い。
・ロブ…百戦錬磨のタイウィンをして戦争の天才認定されたという設定がカッコよすぎ。若さゆえ愛に目がくらみ早々の退場が悔やまれる。ロブ生存if観たい…
・トアマンド…上に書いた通り。
・ブロン…信ずるは王でも宗教でもなく金だという人生観、飄々とした態度が魅力的。ずけずけ図星をついても怒られないって得なキャラだよな…
・ポドリック…芋っぽい純情ボーイと見せかけ高級娼婦がメロメロになるほどの超テクニシャンというギャップ笑
・ダヴォス…スマグラーから成り上がったり、文字覚えるくだりがあったり、努力家な面が推せる。スタニスへの進言が悉く却下され投獄までされる不遇。それだけに最後は運良くスタニスと別れ生き延びたのは良かった。
・ベリック…ソロンによる無限蘇生+炎エンチャントソード持ち+眼帯という中2臭い設定てんこ盛りオジサン。
・顔のない男…ハレンホールでアリアに見せたミステリアスな強キャラ感最高。
・ベンジェン…ジョン、ブランの絶体絶命のピンチを救った影の功労者。出番少なすぎて勿体ない。他のドラマならレギュラーレベルの良キャラな気がする。
・ドーンの三人娘…キャッツアイしかりらんま1/2しかり、三人娘は個性的な良キャラが多い。
・ラムジー…お手本のようなドSサイコパスだが、落とし子の戦いやスタニス戦で人の心を操り、その場に合わせた手堅い戦術を展開する有能さも併せ持つ。
・フレイ公…ウォルダー・フレイって名前が好きなだけ。自分の嫁全員不細工の自覚あるのはどう見たらよいのか…
・イグリット…サバサバ&ハスキーボイス&「何も知らないねジョン・スノウ」は最高です。
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