Asino

ウルフ・ホールのAsinoのレビュー・感想・評価

ウルフ・ホール(2015年製作のドラマ)
4.3
なぜ今?って感じですが、続編を撮るという噂を聞いて、ずっと見なきゃと思ってた「ウルフ・ホール」見ました。

鍛冶屋の息子として生まれながら、ヘンリー8世の治世で絶大な権力を持っていたウルジー枢機卿に取り立てられ、彼の失脚後、王の右腕となっていくトマス・クロムウェルが主人公。
話の主軸は否が応でもアン・ブーリン...というか、王の離婚と再婚、それにともなってローマと対立し、結果的に英国国教会が成立していく、お馴染みの泥沼。

クロムウェルは出世するにつれて秘密警察みたいな役割を担ってどんどん目が死んでいくわけだけど、ウルジー枢機卿の失脚と死、トマス・モアの失脚と死、そしてアンブーリンの処刑と続いて、それぞれとクロムウェルの関係性が素晴らしく複雑で奥深く描かれる素晴らしさでした。

クロムウェルは、愛する妻と娘たちを病気で一夜にして亡くす一方で、一人生き残った息子(トムホラント!)とはいまいち心が通わなかったり、尊敬していた人を自ら陥れざるを得なかったり、それはもう色々あるけど、ずっと基本むすっとしてる。
全然大袈裟でない演技の中での幅というか、今さら言うまでもないけどマーク・ライランスすごい。
とくにクロムウェルとトマス・モアの因縁というか関係性ときたら...。
あの回想シーンの美しさが忘れられない。

しかしヘンリー8世がダミアン・ルイスなのは若干ずるくないですか?(笑)
自己中心的で甘ったれだけどたまらなく魅力的、に見えちゃうじゃないの。
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