Frengers

アトランタのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

アトランタ(2016年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 ペーパーボーイ(ラッパー)とその仲間たちのアトランタを舞台にした上手くいかない話…ではあるものの実際は白人社会に覆われ搾取されながら、同じアフリカン・アメリカンでも搾取しあい、誘惑にかられ、コミュニティの中でも泥沼にならざる負えない様を描いている。デートに行けば白人経営の店に金を取られ、奴隷解放日祝賀パーティーはブラックカルチャーを収集する趣味をもつ白人男性が主宰する(本作でアールを演じ、プロデューサーや監督まで務めるドナルドグローヴァ―のチャイルビッシュ・ガンビーノ名義の『アウェイクン・マイ・ラヴ!』のジャケットまで飾ってある)。と同時に第七話の自身が属するコミュニティを否定する高校生や被差別であり差別を推奨する男性を通して二項対立を崩したり、見えない車を買ったというラッパーが銃撃戦になったときに画面の奥で実際に走行していたり、現実と作劇、フィクションとノンフィクションという型も綺麗に壊されている。コメディでもメディアでもあり『ゲット・アウト』にも先立つ先見性を持っていたという意味で確かに映画より先行している。今では揃わないMigosの三人の姿に号泣。
Frengers

Frengers