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アトランタ:略奪の季節のFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

アトランタ:略奪の季節(2018年製作のドラマ)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 いやー面白い。競争社会故に誰もが自分の事を優先して考える、だからこそ身内同士の仲違いや搾取、足の引っ張り合いに終始引きずり込まれる。コミュニティ同士の差異と差別意識。ひたすら上手くいかない中で笑うしかないという瀬戸際のコメディ。飽くまで白人社会(つまりS2の結末はその大元に旅立っていく話でもある)のルールに則した形で生きていかなければならない、という意味で全然他人事ではない。シュールにすら映るほどの理不尽な目に遭いながらも、成功するためには必ず犠牲者を生まねばならず、銃は別のトレイに運ばれる。
 誰かを搾り取ろうとはしなかったアーンですら最終的に誰かを蹴落とされなければならない皮肉。しかもそれは娘の養育費と為でもあり受け継がれていく。その精神は現行の社会のルールが書き換えられることがない限り続いていく(星条旗が映る)。
 個人的には映像面が前のシーズンより好き。ロングショット、駆け出す際の足元のショッ、扉の開閉による場面の転換等々。ep5のコメディは余りにも加害性が蔑ろにされているので純粋には楽しめなかったが、ブラックコメディを纏めたドナルド・グローヴァの手腕は良かった。
 
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