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製パン王キムタックのwhochanmisakiのレビュー・感想・評価

製パン王キムタック(2010年製作のドラマ)
4.2
「がんばれクムスン」を夢中で楽しんだ勢いで、以前から気になっていた本作を7月3日視聴開始、Abemaプレミアムにて全30話。
冒頭のチョン・インファの出産シーンからもう釘付けに。「いとしのクム・サウォル」での彼女の出産シーンは本作のオマージュだったのか。1話66分に濃い場面がぎっしりで見応えたっぷり、序盤からグイグイ惹き込まれている。

キャストも好きすぎる。わたしを中毒にしたマクチャンドラマ「福寿草」で稀代の悪女チェユラの祖母だったチョン・ヘソンさんに再会、若い。今回は「おしん」の加賀屋の大奥様長岡輝子さんのような温かく心強い役みたいでホッとした(→のにこんなに早くお別れすることになるなんて(涙))。
タックの母ミスン役のチョン・ミソンさん、友近を可愛くしたような気になる女優さん。いとしのクム・サウォルのオウォルや復讐のカルテットのパクセラで好きになったソン・ハユンと同じような喋り方(方言?)がクセになる。4年前に亡くなったなんてショック。
少女時代のユギョンがチャングムの子役ではないか。桜田ひよりみたいな真面目そうなお嬢さんに成長していて嬉しい。
会長の次女の子役が大好きなキム・ソヒョン、「恋するジェネレーション」のときと全く同じ顔でびっくり。
ユギョンのクズ父が佐藤二朗そっくりで笑ける。
会長役のチョン・グァンリョル、初めてだけど寡黙な低音に田村高廣に通ずる品のある男の色気を感じる。

6話までの子役時代が終わって、いよいよ大好きなチェ・ジャヘ(チャングムのチャンイで大好きになって、青の食堂とクムスンでも眼福だった)やチェ・ユニョン(いとしのソヨンで天然純粋女子ホジョンが可愛すぎた、惚れた)に会えたぞ。パルボンベーカリーの孫娘ヤン・ミスン役のイ・ヨンアがイイ、日本で好かれそうなルックスとキャラ、初めてだけど心をつかまれてしまった。

青年タック、キャラ変してアホっぽいけど爽やかで好い。ユギョンが活動家という設定が興味深い。8話のラスト12年ぶりの再会に感激、ユギョンの「キムタック?」にドキッとした、涙がどっと溢れて止まらん、感情移入しまくり。
13話でユギョンに性的暴行を働くマジュンにクラブの客たちが囃し立てているのはキチガイ集団?
18話で2年ぶりに会えた二人の抱擁に感激、心が洗われた。ユギョンの頬にそっと唇をつけるタック。暴行魔の糞屑男マジュンと違って天使。そして、父と子としての14年ぶりの再会、眼前で息子が焼いてくれた麦飯パンを口にして嗚咽落涙する父イルチュン会長、抱き合って号泣する息子タック、わたしも一緒に滂沱の涙、ここまででいちばん感動した。

朝ドラの名作「おしん」に昼ドラ「さくら心中」とかを混ぜたような良質のエンタメ。退屈で無駄な場面がほとんど無い。

21話でタックが焼きたてのパンをトレイごと床にぶちまける演出はサイテイ、台無し。
脚本や演出に幼稚さとツッコミどころが目立ってきたのが惜しい。タックの無邪気キャラ、やりすぎ感、アホっぽくてシラケるときあり。

後半に入っていっそうクズ度を増す臆病狡猾糞マジュン(渡部建に見えて笑ける)とマジュンの糞屑母(中の人は好きなのに)と人非人ハン室長の破滅を願いつつ物語に没入。

贔屓の女優チェ・ジャへ(終盤で取ってつけたような出番がありはしたが)とチェ・ユニョンが単なるバカ娘で空気扱いなのが悲しい、脚本家のせいだ。

倒れた会長から託されてタックが会社に乗り込んでからの終盤の緊迫感・躍動感は見応え充分、面白い。26話で理事たちから応援されるタックを陰で見守る母のシーンでまた涙。
だが、その後は感涙シーンはわたしには無かった。
最終盤は登場人物たちの気持ちの動きを置いてけぼりにした雑な物語のたたみ方(韓ドラあるある)、脳内補完して不満を残さないようにはしたが、感動に浸れなかったのが残念。7月11日視聴完了。
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