フクイヒロシ

ボクらを見る目のフクイヒロシのレビュー・感想・評価

ボクらを見る目(2019年製作のドラマ)
5.0
2014年の『グローリー/明日への行進』を監督したエヴァ・デュヴァネイ。女性監督なんですね。

『グローリー/明日への行進』はマーティン・ルーサー・キングJr.牧師を描いた映画で、賞レースを少し賑わしたし、6000万ドル近くの興行収入を上げてるのでビックリの大ヒットですね。


でも正直『グローリー/明日への行進』はそんなに良かっただろうかという感じで。。

でもこのドラマ『ボクらを見る目』は映画をこえるとんでもない傑作でしたよ!

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1989年にセントラルパークで実際に起きた不当逮捕事件。

冤罪で起訴されたハーレムに住む5人の少年と彼らの家族の闘いが描かれていまして、批評家にも絶賛されている作品、とのこと。

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観る前から重く苦しい気持ちでしたけど、
再生してワンシーン目からもう辛い。

話の筋知ってるからね。。。

このコたち(子供だぜっ!?)が不当に逮捕され、長時間尋問され、自白を強要されて。。

全4話で良かった。。
10話くらいやられてたら死んでる。。


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実際観ていても辛いんですが、、
作品としては、、素晴らしかったです。。。

映像も演技も話の運びも素晴らしい。

全話映画のクオリティです。
これ映画館で上映してもなんの問題もない。

特に4話の独房のコーリーのシーンは、
映画でもなかなか観れないほどの実感のこもった狂気でしたよ。。


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この少年5人が不当に逮捕された段階で
当時ニューヨークの不動産王だったトランプが
新聞4紙に「死刑を復活させよ。警察を復権させよ!(BRING BACK THE DEATH PENALTY. BRING BACK OUR POLICE.)」という広告記事を載せた。

その後、この男が大統領になる。。


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全てカタがついた今振り返っているから、
自分は少年5人の味方として見始めて同じように苦しい気持ちで最後まで見て
今でも若干苦しさを持っているんだけど、

もしも自分が当時このニュースの渦中にいたらどうだったんだろうと思います。

自白させられた彼らを救う立場に立てたかどうか。

「いや、やってるでしょ」って思わなかったかどうか。

「どっちなんだろうね〜」と高みの見物していただけなんじゃないか。


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痛烈に自分に突き刺してくるとんでもなく素晴らしいドラマです!!!