Larx0517

ボディガードー守るべきものーのLarx0517のレビュー・感想・評価

4.2
間欠泉のように、不意をついて襲いかかる緊迫感。

「政治家は臆病者 そして嘘つきばかり
口だけで自分の血は流さない」

その政治家を守る。
自ら血を流して。命をかけて。
それが職務だから。

デイビッド・バッド巡査部長。
職務中はサイボーグのように表情が崩れない。
その仮面の下には、PTSDを患うアフガニスタン帰還兵。

とてつもない緊迫感のオープニング。
それに続き、間欠泉のように、事件が次々に起こる。

再鑑賞で改めて実感する。
今作は緻密に構成されたドラマだと。

デイビッドが警護する、ジュリアが内相を勤める内務省。
警察。
保安局。
そしてテロリスト。
それぞれの思惑が絡まり合う。

テロ事件というサスペンスを縦軸。
デイヴィッド自身、心境の変化が横軸。
ラストに向かい、交錯しながら集約されてゆく。

デイヴィッドの周囲、特に上官が全て女性なのが面白い。
おかげで、デイヴィッドの女性に対する敬称”Ma’am”の連呼を聞くことになる。
(逆に男性敬称”Sir”を聞かない)
Netflix公式で、デイヴィッドの”Ma’am” を集めた、映像が作られるくらい。

Bodyguard | Every Time Richard Madden Says Ma'am | Netflix

https://youtu.be/PMoOMT2PRhk

累計91回の”Ma’am”を聞くことになる。

あらゆる面で、ハイスペックな要素が緻密に、整然と詰め込まれている。
それだけにヨーロッパ系ドラマにありがちな、間延び感もない。
放映されたイギリスBBCで、最も高い視聴率を叩き出したのも納得。
数字は嘘をつかない。
Larx0517

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