さりさり

死刑基準のさりさりのレビュー・感想・評価

死刑基準(2011年製作のドラマ)
4.7
傑作だ。
いや、傑作というより秀作と言うべきか。
最高だ。

死刑制度反対と声を上げる弁護士・大伴。
その持論のために、愛する者を失った被害者たちは、永久に苦しみから救われない。
そんな中、大伴の愛する身内が無惨に殺されてしまう。
大伴はどうするのか。
それでも死刑反対の意思を貫けるのか。

死刑裁判に鋭いメスを入れる社会派サスペンス。
見応えのある骨太ドラマだ。

演技派揃いの出演者たちに目を奪われる。
実際に自分の身に降りかからないと理解できない他人の苦しみや悲しみ。
そして恨み。
心を突き動かされた。

かけがいのない命。
その尊さを訴える本作。
死刑制度を指示する側も否定する側も、本質は変わらない。
訴え続けることが、例えちっぽけな “誇り” だとしても、その信念を持ち続ける大切さを、このドラマは教えてくれた。

ラストの法廷での陳述。
思わず唸り声が出た。
完璧な締め。

素晴らしい。
さりさり

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