okappa

ダークエイジ・ロマン 大聖堂のokappaのネタバレレビュー・内容・結末

ダークエイジ・ロマン 大聖堂(2010年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

エディ・レッドメイン出演作の中で1番好みそうなので視聴。いろいろ探してTSUTAYAの配送レンタルで借りることができました。ドラマですが、全8話でさくっと観れます。とは言え人物が多くて内容は濃いめ。とても楽しめました。

前情報なしで試聴したので端役かと思いきや、エディおもいっきりキーパーソンでした。登場当初は、森で母と暮らしてる喋らない少年。その後森から出て多くの人と会い、さまざまな事を経験して恋して成長していく姿が観れます。作中時間経過が10年後〜とかちょいちょい飛ぶので本当にどんどん育って壮年までいきます。
歴史物でファンタジックな服装に赤毛で(赤毛の少年とか劇中でも呼ばれる)、コミュニケーションやや下手、たまに本能でかっとんだ行動する、だけど石工(のちに建築も)の分野は特筆して秀でている。近年作品のニュート・スキャマンダーみがあるなと思いました。アリエナとのシーンが可愛いし、全然石掘れてない適当な彫刻シーンもキュートだし、エディファンは一見の価値ありかと。

他出演者もけっこう豪華。特に、本作でかなり悪が強めな人物を演じてた皆さんかなり良い。悪味強めでいい感じに苛々させてくれる良い悪役っぷりでした。顔芸になりがちな豊かな表情も時代物だしすんなり観れます。悪味激濃ヴェイルラン役イアン・マクシェーンは近年ジョン・ウィックのウィンストン役でわりと知られているのでは。意味深で貫禄ある役がとても似合う。目力がすごい。

キングスブリッジでの聖堂の建て直しに関わる人々を主軸に、王家の跡目争い×爵位&土地の取り合い×司教の暗躍が絡み合っていくストーリーです。登場人物多め。無政府時代なので、争いごとばかり。治安悪そう…。
わかりやすく悪事を沢山する人物はいますが、その対立側の人物も結構色々やらかします。どの人物も完璧ではないし、清廉潔白超良い人でもない。それぞれが必死で生き抜いているという感じ。人間味溢れる現実的なキャラクターたちが魅力的です。

王家:スティーブン(ヘンリー1世の甥、武力と司教と密約し協会の助力をうけ王位を奪取)vsモード(ヘンリー1世の娘で後継に指名されてた、王位取り戻すガチギレ)
→王の跡目争い、基本武力で争い中

爵位及びシャイリングの奪い合い: ウィリアム・ハムリー及びハムリー家(ウェイルランと協力したり嵌められたり永遠と繰り返す笑、かなり粗暴でクズ)vsシャイリング伯爵の娘アリエナ&息子リチャード(正当な後継だったモードに仕えていた、スティーブンが王位奪取後に謀反の罪で父伯爵は処刑爵位と土地を失う、意志を継いだ娘息子があれこれ頑張る)
→爵位の取り合い、直接対決はあんまりないが、基本はリチャードが王に貢献して遠回りしつつ正統に奪還しようとする感じ(ただし剣や馬具など資金は全て羊毛ビジネス成功させた姉頼り)

協会のいざこざ:ウェイルラン司教(教会側権力者、野心満々で様々に暗躍して多くを不幸にする奴)vs キングズブリッジ修道院院長フィリップ(たぶん真面目な修道士、焼失した聖堂を建て直したい)
→最初は司教が立場上なのでフィリップがいい様にされているが、段々と逞しくなる。暗殺陰謀手駒による武力など何でも振りかざして己の野心を目指しつつ段々目障りなフィリップを苦しめる司教、キングスブリッジの人々を豊かに聖堂を建て直すために奔走するフィリップ。直接暴力はないが、基本ネチネチしてる。

建築の人々:優秀な建築家トムの息子アルフレッド(父にあいつの能力はそこそこって言われちゃう笑、女癖悪そうだか本命アリエナが欲しくてしょうがない)vsトムの義理の息子ジャック(彫刻建築系のギフデッド、わけあり出自、アリエナといい感じ)
→職人としての能力差の嫉妬&父からの信頼と愛が取られた(と思ってる)&アリエナもとられそうという焦りを感じるアルフレッドがややこしい感じ。ジャックもわりとエキセントリックで気が強いのでバチバチしてる。それとは別で、ジャックは殺されそうになる捕まるシーンが多いし本人も火をつけたり盗んだりはったりかましたりかっとんだことするのでハラハラです…

他にもたくさん人が出てきてそれなりに動くので、人物が多いです。
とにかく主軸は聖堂の建て直しに関わる人々なので、基本的にはフィリップやジャックが主人公な感じで視聴になるかと。人間関係とか、各立場の把握ができないとさっぱりになってしまうので集中して観た方が楽しめると思います。ラストはわりとスカッと大団円してくれます。キャストに関わらず西洋歴史物好きだったらわりと楽しめると思います。
okappa

okappa

okappaさんの鑑賞したドラマ