タキ

シャーロック・ホームズの冒険のタキのレビュー・感想・評価

5.0
全41話完走(NHKBSプレミアム放送分)
19世紀ヴィクトリア朝のロンドンを再現し、シャーロック・ホームズを演じるジェレミー・ブレットは原作から抜け出たような容姿もさることながら、その高い身体性に驚かされる。ひらりとソファを飛び越えたり欄干をひょいひょいと歩いたりハッとするような動きが実にスマートでとにかくカッコイイのだ。ワトソンもよくあるミスリードをさそう凡庸な役回りではないところがすごくいい。
全作映像化を目指していたとのことだったがジェレミーの体調不良と急死によって叶わぬこととなってしまった。晩年のホームズも見てみたかった。

最終話のラストのセリフがシリーズを通底するホームズの想いを語っていて、意図したことではないにしても結果的にこの作品が遺作となったのはジェレミーにとってもよい着地点だったのではないかと思う。

『この意味はなんなのだろう?
この苦難と暴力と恐怖の循環の目的は。
目的はあるはずだ。
でなければ宇宙は無意味であり、それはありえない。
なんのためにだ?
ここに、人類の大問題がある。
現在もその解答はでていないのだ。』
タキ

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