このレビューはネタバレを含みます
ジョーが本屋の店長、ベックが詩人を目指す大学院生ということもあって、毎回映し出される本のセンスがとてもよい。
ジョーは、ベックを透明な檻に入れて守っているつもりだ。幻影を繰り返し見ていることから、明らかに監禁はジョーのなかでトラウマになっている。養父からの精神的な暴力を「愛」と読み替えることでジョーは自身を回復させようとしているし、その「愛」を実践することでそれを確かなものだとしている。
ベックは「守ってほしいなんて頼んでいない」と言う。でも、そんな言葉は通じない。ジョーとパコはたとえ声を上げなくても、守られるべき時に守られなかったら死んでいたのだ。(その救済の方法が正しいとは言えないけれど)
エピソード8でジョーがベックの家の窓ガラスを割る場面、二人は割れたガラス越しに愛を確信し合う。ベックの視点からジョーが映し出されるときに、割れたガラス越しのせいでジョーの顔が歪むのはかなり印象的だった。こだわりのアングルだったんじゃないか？と勘繰ってしまう。
