江戸前の旬の1の情報・感想・評価

エピソード01
江戸前の華 マグロのヅケ
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なでしこ

なでしこ

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マグロの話。 主人公の旬が初めてマグロの買い出しを任される。 鮪は切ってみないと上質かどうか分からない魚だが、質の良い切り身を馴染みの卸さんから売ってもらった旬は、嬉しくて、湯霜ヅケ、とい漬け込む前に湯通しする江戸前の仕込みをやらせて欲しいと師匠である父に頼み込む。 江戸前とは江戸の前、つまり東京湾でとれた魚介を握った寿司で、最大の特徴は、タネの一つ一つに職人の仕事が施されていること。塩、醤油、砂糖、昆布などを味付けに使い、色も青・赤・白・黄・黒と、五味五色が引き出されている。 特にかんぴょうや玉(玉子)の甘みが名脇役として職人の味を引き立たせてる。 柳寿司にふらりと落語家の湊家勝翁師匠がやってきた。 巻き物を、と言われ旬はマグロ巻を出そうとしたが、巻き物というのはかんぴょうと決まっているんだ、と父に遮られる。 湯霜ヅケ、とは表面をサッと湯通しして煮切りに漬けるとゆっくりじっくり味が染み込む。四時間漬け込んで、早漬けより味が濃い江戸っ子好みの寿司となる。 父と同じように作ったつもりがとんでもない代物になってしまう。 秘訣は全部漬け込まず、季節や産地、ネタの状態を見極めて、半分づつ漬ける。ネタに醤油がグラデーション状に付いて生の部分と醤油の部分が合わさり絶妙な味になる。 常連のホステスすずねから、腕の良い職人もホステスも、見えないところで努力してるもんよ、頑張りなさいとはげまされる。